午後八時すぎ、高崎市内にある福田達夫さんの選挙事務所は歓声と拍手に包まれ、妻静さんが深々と頭を下げた。

　福田さんは八月に防衛政務官に就任。選挙中も危機対応のため都内で待機することが多く、開票時も「在京当番」。当選確実が速報されると、衆院議員会館の事務所とインターネットで結んだ選挙事務所のモニターを通じて万歳三唱。「選挙戦のほとんどは帰れない状況で、支えていただいた」と支援者に感謝のメッセージを届けた。二〇一二年、首相を務めた父康夫さんの地盤を継いで初当選。「地域から国政を見直したい」と中小企業政策などに力を注ぎ、三度目の今回は「福田達夫が初めて審判を受ける大事な選挙」と臨んだ。

　公務で地元入りの機会が限られるため、滞在中の時間を有効に活用して企業や個人演説会の会場を回った。フェイスブックなどを活用して積極的に情報を発信するなどして若年層にもアプローチし、三つどもえの選挙戦を大差で制した。　（大沢令）