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民進「合流」 野党共闘の行方は… 地方議員や市民戸惑い

2017年9月30日

JR桜木町駅前の街頭演説で拍手を送る人たち=横浜市中区で

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 民進党が希望の党に事実上、合流することになったのを受け、県内の民進党の地方議員や市民団体からは「どの候補者を支援すればいいのか」などと戸惑う声が出ている。一方、安全保障法制を巡って希望の党とスタンスが対立する共産党の関係者は「選挙区によっては共闘も否定しない」との考えを明かした。(衆院選取材班)

 「希望の党の候補者を、民進の地方議員が応援していいものか」。ある県議は疑問を投げ掛けた。党名が民主党から民進党に変わった時は地方も含めて議論をしたのに−との思いがよぎる。「本部の意向だけで決めるなんて」

 政策面での相違もある。安保法制は民進が廃止を訴え、希望の党は容認する。厚木市議は「慎重に考えないといけない」と身構える。横浜市議は「支援していた候補予定者が希望の党に移ったとしても、応援は続ける。安保法制では、個人的には希望の党の考えに近い」と語った。

 野党共闘を模索してきた市民グループからは失望の声が上がる。安保法制反対を訴える「市民連合横浜☆ミナカナ」の伊藤新さん(69)=横浜市鶴見区=は「今月中旬の会合で、安保法制反対で意気投合した民進の候補予定者が、二日後に離党した。裏切られた」と怒りを隠さない。

 ただ、メンバーの中には温度差がある。「安倍政権をともかく倒そうと、今回は希望の党を支持しようという意見がある。逆に、安保法制廃止を貫こうと協力を拒否する人もいる。どちらの考えも理解できる」と伊藤さん。こうした事情からグループでの意思統一は考えていないという。

 野党共闘の一角を担うはずだった共産党の田母神悟・県委員会委員長は「民進の動きは驚きだった。共闘がまとまると思っていた選挙区があったのに」。予想外だったとの受け止め方を示しながら、「決まったことなので、心ならずも希望の党に近づかなければならない候補予定者もいる。私たちが対立候補を立てず、支援するケースも出るかもしれない」と話した。

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