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12区、3極激突で混戦模様

2017年10月11日

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 前回衆院選で、自民前職の星野剛士さん(54)が立民前職の阿部知子さん(69)=当時は民主党=に七百票差で辛勝した12区。今回も二人の争いとみられたが、公示直前に希望が新人原輝雄さん(43)を擁立し、一転して三極による混戦に。前職二人に割って入る形の希望が、どこまで票を集めるかが勝敗の鍵を握る構図になった。

 原さんは、かつて秘書を務めた松沢成文参院議員の要請で出馬を決意した。十日午前に藤沢市の湘南台駅前であった第一声では、安倍政権の経済政策や加計・森友問題を批判しながら、自民だけでなく野党の追及の甘さも指摘。「原発ゼロ」の公約を演説に盛り込んで自民との違いを際立たせ、「大きな組織も団体もない」として草の根での応援を求めた。

 星野さんは同市の遊行寺で開かれた出陣式で、新党にはない組織力をアピール。自民と考え方がかぶる部分がある希望を警戒しつつ、与党の実績を強調した。「安倍首相は世界に認められたリーダー」などと述べて経済の好調さや北朝鮮への対応などを引き合いに出し、政策継続の重要性を訴えた。

 星野さんは当初、希望に強い危機感を抱いていた。小池百合子代表が出馬しない見通しになり、民進の分裂という様相が色濃くなって以降は静観の構えを見せるようになったという。

 阿部さんは解散直後、「原発ゼロ」など小池代表との共通点を唱え、希望からの出馬を模索していた。民進リベラル層を受け入れない流れが鮮明になってからは「安倍首相に代わる独裁者はいらない」と、逆に希望との違いを強調するようになった。

 藤沢駅前での第一声では「自民、希望では大政翼賛につながりかねない」と語り、「リベラル層の受け皿」を前面に出した。陣営が注目するのは浮動票の行方。「原陣営に流れるか、うちに流れるか読み切れない部分がある」と話した。 (布施谷航、草間俊介、鈴木弘人)

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