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思わぬ結果生みかねない怖さ 関東学院大・村上教授に聞く

2017年10月11日

 今回の衆院選を識者はどうみるのか。「有権者にとって思わぬ結果を生みかねない怖い選挙だ」と説く関東学院大の村上裕教授(60)=西洋法制史=に聞いた。

 村上教授がまず指摘するのは、争点が見えづらいこと。解散時、安倍首相は増税分の消費税の使い道の変更を強調していたのに、他党が消費増税凍結を訴えると、今度は北朝鮮問題をクローズアップ。「内閣は基本的に自らの判断で解散できるが、国民に信を問わなくてはならない問題があるのが前提。そこが揺らぐようなら、『今なら有利』と党利党略で解散したとみられても仕方がない」と唱える。

 解散後に新党結成が相次ぎ、構図が分かりづらいのも特徴の一つだ。「これまでの与野党の構図とねじれている部分が残る」と村上教授。例えば希望の党は原発ゼロなどで安倍政権との対決姿勢を打ち出しているにもかかわらず、改憲に前向きという点では与党の公明党より自民党に近い。「安倍政権打倒を期待して希望に投票しても、逆に自民の念願である改憲を押し進める結果につながる可能性がある」と強調する。

 一方、最大野党だった民進党が保守に近い希望の党とリベラルな立憲民主党に割れ「対立軸が見えやすくなった」とも話す。

 村上教授は「一人しか当選できない小選挙区制で、候補者は有権者受けの良い政策を強調しがち」とした上で、「一点の主張に絞って判断するのではなく、日本の行く末にとって何が大事かを考え、全体的に政策をみて投票することが大切」と語った。 (福田真悟)

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