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埼玉

自民市議ら、中野県議に出馬要請 衆院7区 分裂選挙の可能性

2017年9月22日

中野英幸県議への出馬要請を発表する自民党川越支部の江田肇支部長代行(左)ら=川越市で

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 自民党川越支部の江田肇支部長代行ら川越市議三人が二十一日会見を開き、同支部長で県議の中野英幸さん(56)に次期衆院選埼玉7区(川越市、ふじみ野市の一部、富士見市)からの出馬要請書を手渡したと発表した。中野さんは同日、「感謝していると同時に、大変重く受け止めている。支持者の皆さまの意向もうかがい、慎重に判断していきたい」とコメントした。

 江田氏らによると、中野さんは今月中にも態度を表明する見通し。出馬の場合、7区の現職神山佐市さん(63)と自民陣営同士の分裂選挙になる。

 江田氏らによると、今月十八日に開いた支部の緊急役員会で中野さんの擁立を全会一致で決めたという。役員会には中野さんと父親の中野清元衆院議員(81)、市議ら十六人が出席。中野さんは「五十六歳となり、出馬のチャンスは今しかない」と述べたという。

 現職の神山さんは県議西6区(富士見市)の出身。江田氏らは「『代議士は地元の川越から』という声が日増しに高まっていた。(中野さん)本人に出馬の意思があり、地元でも『中野清さんの後継者は県議の英幸さんで』という声が多い」としている。

 神山さんの事務所は「突然のことで驚いている。自民党公認候補として7区から立候補する方針に変わりはない」としている。川越市の後援会関係者は「(神山さんに)問題はなく、筋が通らない。川越第一と言うなら富士見、ふじみ野との地域間対立になりかねず、禍根を残すことになる」と危惧する。

 自民党県連の鈴木聖二幹事長は二十一日、本紙などの取材に「筋論として現職がいるので、現職は現職として扱わないといけない」と語り、中野さんが出馬しても党本部には神山さんの公認を申請する方針を示した。保守分裂選挙の可能性には「民進党を利するだけ」と述べたが、出馬した場合の処分については「複雑で簡単にはできない」と語った。(中里宏、井上峻輔)

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