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栃木

有権者「なぜ今解散」 「1票」へ状況見極め

2017年9月29日

 「どうして今なのか」。衆院が解散された二十八日、県内の有権者からは北朝鮮情勢などを理由に、その時期を疑問視する声が上がった。とはいえ、政権選択がかかる論戦は事実上スタート。民進党を巡る混乱で戦いの構図がなかなか定まらない中、有権者はそれぞれの考え方で一票を託そうと状況を見極めている。

 行政相談のボランティアを務めるために足利市役所を訪れた同市大前町の管理栄養士大美賀(おおみか)由美子さん(58)は「北朝鮮問題の最中に解散するなんて」と首をかしげた。「森友・加計問題はうやむやのままで『もりかけ隠し解散』でしょう」と眉をひそめた。

 各党の考えで注目するのは原発政策といい、「原発はゼロにしてほしい」。憲法を巡っては「九条はそのままでいい。変えると戦争をする方向へいってしまう気がする」と懸念する。

 「希望の党」の代表に就任した小池百合子東京都知事の国政関与を「都政が進んでいない。かき回しただけ」と否定的に受け止める。民進党の希望への合流は「どんな考えなのか、分かりづらい」と評した。

 鹿沼市の自営業斎藤英夫さん(66)も「北朝鮮の問題が切迫している時期に解散するなんて」と、安倍晋三首相の判断に憤る。「現在の危機はこれまでの政権が北朝鮮としっかり対話をしてこなかった結果だ」と考えており、外交政策が争点とみる。民進の希望への合流については「民進は離党者が続出して既に党として機能していなかった。自然の流れではないか」と話した。

 「国民に信を問う時期とは思えない。理由もピンとこない」。大田原市の会社員村岡琴美さん(26)も、解散の判断に納得がいかない一人。政策面では「景気は回復しておらず、増税には反対」と、消費税に対する考え方を投票で重視する点に挙げた。希望が急速に存在感を示しているが、「小池さんは何をしたいのかよく分からない。現時点では期待できない」と話した。 (吉岡潤、小川直人)

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