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栃木

候補者は主張する 5区

2017年10月13日

 22日に投開票される衆院選で、県内の小選挙区の候補者たちは連日、地元を回って自らの主張を有権者に訴えている。重視する政策、その判断を支える信念はさまざまだ。5選挙区に立候補した16人の主張を、5区から1区まで順に紹介する。(届け出順)

茂木敏充(もてぎ・としみつ)さん(62)自前<8>=公

人づくり革命大胆に

 安倍政権の四年十カ月を振り返り、株価、国内総生産(GDP)、有効求人倍率の変化を挙げ、「日本経済は間違いなく改善している」と強調。「この流れを加速させるために、大臣として担当している二つの政策『人づくり革命』『生産性革命』を大胆に進める」と力説する。

 二〇一九年十月に予定する消費税増税分の一部を財源に「三〜五歳児の幼児教育の完全無償化を三年以内に実現し、給付型奨学金の拡充、介護職場の処遇改善を後押しする」と約束。「企業のIT化、設備投資を国も予算を組んで応援し、生産性向上、賃金アップ、消費拡大につながる状況をつくっていきたい」と話す。

 改憲を「結党以来の党是。実現したい」とし、「自衛隊の位置付けを明確にする。教育の無償化、緊急事態にどう対応するか、党として具体案を提示する」。原発は安全性の確保を前提に再稼働を認め、北朝鮮への対応では「今は圧力が必要」と訴える。

 「緊迫する北朝鮮情勢、少子高齢化、経済の本格的な再生。さまざまな課題を解決し、日本を前に進めていくことができるのはどの候補者、政党なのかが問われる選挙だ」

 ▽座右の銘 春風接人

 ▽趣味・特技 スポーツ、読書

大豆生田実(おおまみうだ・みのる)さん(51)希新

地域のことは地域で

 希望の党を「改革派の保守」と表現する。「全く変わらずに今まで通り守旧派的な政治を続けるのか、変わらなければいけないという賢明な判断をするのか。二者択一の選挙だ」と声を張る。

 安倍政権を「賞味期限が切れている」と酷評する。「お金がなければ増税する、借金する。国民に負担を押しつけている。日本のためにならない」。森友・加計問題を「長期政権のおごり、しがらみ政治の象徴。権力は抑制的に使わなければいけない」と指弾する。

 足利市長時代の経験を基に「地域のことは地域で決める」。地域主権の確立、徹底した構造改革、規制緩和の推進を掲げる。消費税増税の凍結を唱え、「補助金のばらまきなど無駄を徹底的に省く。成長戦略を打ち出し、第四次産業革命に向けた土壌づくりを目指す」と語る。

 憲法については「時代とともに改めていかなければいけないところは改める」が持論。国と地方の役割を明確にすることや、改憲に向けて「国会で発議しやすくなるように九六条を見直すべきだ」と説く。自衛隊を明記するという安倍首相の考えは「議論に値する」と受け止めている。

 ▽座右の銘 一期一会

 ▽趣味・特技 囲碁

川上均(かわかみ・ひとし)さん(61)共新

安倍政権終わらせる

 「憲法を蹂躙(じゅうりん)し、森友・加計疑惑を隠し、民意を無視し、国政を私物化する安倍首相に退陣してもらう。それが最大の選挙の争点」と語気を強める。

 「アベノミクスの破綻は明白。働く人の実質賃金も消費支出も下がりっぱなしで、上がっているのは人為的につり上げた株価だけ」と断じる。「消費税増税は許さない」と中止を求め、安倍政権が打ち出した増税分の一部を子育て支援や教育無償化に充てるという提案に「国の予算の組み替えで可能ではないか」と首をかしげる。

 北朝鮮への対応を巡って「国民は平和的に解決してほしいと思っている。圧力一辺倒では解決できない」と語り、米朝直接交渉を働き掛けるなどして対話による解決を提唱。憲法への自衛隊明記に反対し、安保法制の廃止を求める。「共産党が躍進できれば、政府も核兵器禁止条約に参加することになっていくのではないか」と主張する。

 希望の党について、憲法や安保法制への姿勢から「自民党の補完勢力。国民の平和を脅かす点では同じだと思う」と懸念。「市民と野党の共闘を進めている共産党に確かな一票を与えてほしい」と呼びかける。

 ▽座右の銘 継続は力なり

 ▽趣味・特技 鉄道写真、サイドカー製作

主な政党の公約

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