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栃木

投票率 気をもむ各陣営 前回は50・10% 関東7都県で最低

2017年10月21日

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 衆院選は二十二日の投票日が迫り、投票率の動向を県内の各陣営や選挙管理委員会が注目している。前回は50・10%と一九九六年の小選挙区制導入後最低となり、関東七都県で最下位だった。解散後、まれに見る政党再編が相次いだ今回。当日は雨という予報もあるが、果たして−。 (高橋淳)

 県内小選挙区の投票率は、旧民主党が政権交代を果たす〇九年の67・35%がピーク。一九九六年以降の全体的な傾向は全国平均と違いはないが、一度も全国を上回ったことがない。二〇〇九年から前回までの都道府県別順位は四十位、四十五位、三十六位だった。

 県内の投票率が低い理由を、宇都宮大の三田妃路佳(ひろか)准教授(政治学)は「保守が伝統的に強い地域で、有権者の選択肢が少ないからでは」と推測する。「自ら投票して『政治を変えよう』という人より、奥ゆかしい人が多いのかもしれない」と県民性も挙げる。

 前回の全国の年代別投票率は、二十代が32・58%で最も低かった。投票率アップの余地が大きい世代とも言えるが「今回は初めて選挙に行く人には、ハードルが高いかもしれない」と県選管担当者は話す。複数の新党が誕生するなど政治の枠組みが変わり、動きや政策を把握しにくいとの理由だ。県選管には若い有権者から「候補者をどう選んだら良いか」という問い合わせが来ているという。

 有権者と毎日接する各陣営は、投票率が大きく上がるとは考えていないようだ。ある前職陣営の関係者は「選挙区の盛り上がりは感じない」と感触を語る。選挙権年齢が十八歳以上となった初の衆院選となるため「若い世代の動きは読み切れない」としながらも「投票率が上がる要素は見当たらない」と話す。新人陣営の関係者は「〇九年や〇五年の『郵政選挙』のムードには遠いが、多くの人に投票に出掛けてほしい」。

 そんな各陣営が注目しているのが台風21号の動向。宇都宮地方気象台によると、二十二日の県内は台風の影響で終日雨の予報。寒さは厳しくないが、徐々に風が強まる可能性がある。

 別の前職陣営の関係者は「雨が心配。前回以上の投票率を期待するけど、悪天候なら下回るかもしれない」と気をもむ。

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