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栃木

有権者は 「税の使い道変えて」「地域活性化を」

2017年10月23日

 二十二日に投開票された衆院選。有権者はどんな思いで票を投じ、どんなことを新しい議員に望むのか。県内で聞いた。

 「同世代の若い人に政治を変えてほしい」。宇都宮市の会社員男性(38)はそんな気持ちで投票先を選んだ。「今の政治は大企業や一部の人のためにある印象。社会で弱い立場にある人に寄り添っていくのが本当の政治」と言い切り、「新議員には税金の使い道から変えてほしい」と訴えた。

 同市の自営業女性(73)は「選挙には行ったり行かなかったり」だが、今回は投票。「安定」を求めて選んだという。新党の希望の党については「(代表の)小池(百合子)さんは主張が中途半端で筋が通っていなかった」と切り捨て、「新議員には経済再生や医療・介護の問題に取り組んでほしい」と要望した。

 「まずこの地域のことを考えて、活性化してくれるかどうか」。足利市の会社員男性(40)は、小選挙区の候補者を選んだ理由をこう強調した。比例代表は「党の代表が信用できそうな人だと感じた」ことから、小選挙区とは違う政党を選んだ。「憲法九条は守るべきだと思う」と語った。

 今回は選挙権年齢が十八歳以上に引き下げられて初めての衆院選だった。同市の県立高校三年の女子生徒(18)は「今の状況を何か変えてくれるんじゃないかと期待できそうな候補者に投票した」と話した。

 関心があるのは、女性が働く環境づくり。「しっかり休みがとれて、子供を産んで、育てられるようにしてほしい」と願う。「憲法の問題は難しい。戦争をしない国は確かに素晴らしいんだけど」と考え込んだ。

 さまざまな理由で投票を棄権した人もいる。那須塩原市の主婦(53)は家族の行事を優先した。当初は希望の党に期待したが、「ふたを開けると候補者の顔触れなどが思っていたのと違った。途中から誰を信じていいか分からず、自民優勢が伝えられてから行く気が無くなった」という。今後の政治には「派閥争いではなく、国民のための信頼できる政治を」と願っていた。 (吉岡潤、藤原哲也)

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