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批判承知「今なら勝てる」 対北で政治空白 「加計」追及逃れ

2017年9月18日

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 安倍晋三首相が臨時国会冒頭にも衆院を解散すれば、挑発行為を続ける北朝鮮への対応で政治空白を生むことや、学校法人「森友学園」「加計学園」を巡る追及逃れとの批判が高まるのは必至だ。それを承知で解散に踏み切るのは、「今なら勝てる」という一点にこだわった政治判断でしかない。

 民進党の前原誠司代表は十七日、都内で記者団に、首相の判断について「国会で森友・加計問題を追及されるのを避けるのが狙い。無責任そのものだ」と語った。緊迫した北朝鮮情勢に触れ「国民の生命、財産はそっちのけで政治空白をつくるのか」と指摘し、「自己保身解散だ」と批判した。

 政府・与党側はこうした批判は織り込み済み。首相側近の萩生田光一・自民党幹事長代行は十七日、記者団に「解散するのであれば、北朝鮮の脅威にどう向き合うか、安全保障関連法がどう機能するかを含めて国民に理解をいただく」と話した。

 与党関係者は首相が早期解散を判断した理由について「民進党がごたごたし、『若狭新党』もどうなるか分からない」と指摘。その上で、解散が遅れればそれだけ「森友問題などが大変になる」と説明した。

 内閣支持率の回復も大きい。「森友・加計」問題を巡り、内閣支持率は七月に35・8%まで下がった。しかし、内閣改造などをはさみ、八、九月は44%台に戻った。この問題を臨時国会で野党に追及され続ければ、内閣支持率が再び下落するとの懸念が政府・与党には強い。(篠ケ瀬祐司)

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