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新党は与党?野党? 安保法など温度差 若狭氏ら結成準備急ぐ

2017年9月21日

記者の質問に答える若狭勝衆院議員=20日午後、東京・永田町で

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 小池百合子東京都知事に近い若狭勝衆院議員と細野豪志元環境相が、二十八日召集の臨時国会冒頭と言われる衆院解散を前に、新党結成に向けた準備を急いでいる。無所属議員や民進党離党者らの合流が見込まれる中、衆院選の争点となる改憲の考え方などで、新党が与党と野党のどちら寄りなのか、現時点では明確ではない。

 若狭氏は二十日、国会内で無所属の行田邦子参院議員と会談し、新党への参加を要請し、前向きな感触を得た。衆院選で擁立を目指す候補者については、記者団に「少なくとも五十人や六十人で終わりということはない。東京や近郊に限る必要はない」と強調した。

 新党の政策協議は、改憲で一院制を目指す若狭氏と、地方自治を定めた憲法八章の改憲が持論の細野氏を軸に進む。「改憲」では、党内にばらつきがある民進党との違いを鮮明にし、安倍晋三首相が示した自衛隊を明記する九条改憲案にも「優先度が低い」と距離を置くことで「第三極」の位置を狙うとみられる。

 だが、新党の協議に参加する松沢成文参院議員(無所属)は九条改憲重視の姿勢をとる。細野氏も「(九条改憲の)全てを否定するということではない」との立場。自民党中心の「改憲勢力」とみなされる可能性は残っている。

 安倍政権が進めた集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法に対しては、細野氏が支持する姿勢を示した。一方で若狭氏は、集団的自衛権の行使を認める基準が不明確として「国民の命を守る観点では問題がある」と批判的で、両氏の間でも一致していない。 (大野暢子)

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