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小池知事、くすぶる国政出馬論 本人は否定

2017年9月28日

 二十七日の新党「希望の党」の結党会見で、代表の小池百合子・東京都知事は今回の衆院選に出馬しないと明言した。しかし、都庁や都議会では「土壇場で出馬するのでは…」との臆測が消えない。周囲に相談せず決断を下すタイプだけに、本人が出馬を否定しても疑心暗鬼が広がっている。 (榊原智康、唐沢裕亮、木原育子、内田淳二)

 「知事を辞めて国政に打って出る気だと思った。やる気満々な様子が伝わってきた」。ある都幹部は、二十五日の新党代表就任会見や、その後に出演したテレビ番組を見て強く感じたという。

 別の都幹部も「仮に希望の党が衆院選で大勝しても、都知事では首相になれない。ラストチャンスだと思えば、批判覚悟で国政に転身する度胸はある」。

 小池氏の在職期間は約一年二カ月。市場移転を巡る既定路線の変更など、都政の課題は山積する。都知事は前任の舛添要一氏まで三代連続で辞任しており、もし小池氏が国政に転進すれば「都政投げ出し」との批判は必至だ。

 法的には、今から都知事を辞職し、十月十日公示の衆院選に立候補することは可能。地方自治法では知事の辞職日について「退職を議長に申し出てから三十日」などの規定があるが、これとは別に、衆院選に立候補すれば知事職は自動失職するとの規定が公職選挙法にある。自民党都議は「都議会最終日の十月五日に辞職を申し出る可能性が十分ある」と警戒する。

 一方で小池氏は、都知事として出席する予定だった女性ベンチャー成長促進事業の関連イベント(今月二十九日)、六本木での夜の芸術祭(三十日)をキャンセルした。他にも欠席が検討されている行事があり、ある都幹部は「キャンセルが続くようなら、都政軽視との批判は免れないのでは」と懸念した。

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