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「希望」参加議員 憲法観などズレ

2017年9月28日

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 小池百合子東京都知事が立ち上げた新党「希望の党」は、発足早々、民進党から大量の議員が合流する見通しになった。与党側には脅威だが、新党参加者の出身政党や主張が幅広いことから、立ち位置が不明瞭との声も。二十七日の結党記者会見に出席した顔ぶれからも、そうした党の特徴が浮かび上がる。

 出席した十四人は、与野党を超えて小池氏の下に集まった。小池氏側近の若狭勝衆院議員らは自民党出身。細野豪志元環境相や松原仁元国家公安委員長らは民進党を離れた議員。中山恭子参院議員は日本のこころ前代表。松沢成文参院議員ら無所属だった議員も。

 このほか柿沢未途衆院議員も、二十八日にも民進党に離党届を提出して合流することが固まっている。

 これらの議員の主張はさまざま。衆院選で争点となる憲法観も微妙に異なる。

 小池氏は、改憲論議に前向きな態度を示しつつ、安倍晋三首相が目指す九条改憲は優先度が低いとの立場。若狭、細野両氏も一院制や、地方自治の確立をより重視する改憲論に立つ。

 一方、中山氏が所属したこころは、軍の保持を明記する改憲草案を掲げていた。松沢氏も九条改憲に前向き。新党で九条改憲論が高まれば議論の俎上(そじょう)に載る可能性はありそうだ。

 希望の党は綱領で「『しがらみ政治』からの脱却」など、安倍政権との対決色を前面に打ち出したが、「しがらみ政治」が具体的に何を指すのか不明確。外交・安全保障などでも、既存政党との明確な違いは示されていない。与党幹部は「新党は脅威。保守なので、与党の票が奪われる」と警戒。一方で政府高官は「党として何がしたいのか分からない」と話した。 (大野暢子)

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