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膨らむ不信戸惑い 「投票したい先ない」「都知事辞めるの?」有権者の声 新橋駅前

2017年9月28日

衆院第2議員会館前で、衆院解散に抗議する人たち=28日午後0時5分、東京・永田町で

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 東京・新橋駅前では二十八日朝、会社員ら有権者から、大義が見えない解散への不信や、加速する野党再編の動きへの戸惑いなどが聞かれた。(安藤恭子、増井のぞみ)

 前夜に流れた民進党から希望の党への「合流」のニュース。出勤途中の横浜市の団体職員佐藤郁夫さん(55)は「政権交代したときには期待したが、民進は離党者続きで、ばらばらになるのは時間の問題と思っていた」とため息。一方の希望の党も「小池さんが都知事になってまだ一年。これといった実績もないのに話題づくりだけは得意という印象だ」と話した。

 仕事関係者と新橋駅で待ち合わせしていた東京都中央区の女性会社員(51)も「アベノミクスは掛け声倒れだった。改憲に突き進む安倍政権は不安だけど、民進党はばらばら、希望の党も古い顔触れの政治家ばかりで期待できない。さあ解散といっても、投票したい先がない」と嘆く。

 駅前の店先で雨をよけながら傘をたたんでいた東村山市の会社員、牛田賢吾さん(56)は「政治全体が混乱している。(合流で)二大政党を目指すんだろうけど、国政がどうなっていくのか」と戸惑う。このタイミングでの解散には「疑問だ」としつつ、「政治は、政治家を選んでいる僕たちの責任。こういう選挙だからこそ投票に行かなければ」

 駅前で古本市のテントの準備をしていた中野区の古書店従業員の女性(75)は、小池百合子都知事が希望の党代表も務めることに、「小池さんの野心が見え見え。『今、私のブームだから思う通りになる』と自分のためだけを考えている。都のトップを捨てて、『あわよくば』と国政を狙っている。東京五輪・パラリンピックまで知事をやる気がないのだろう」と冷ややかだった。

◆「党利党略解散だ」国会前抗議

 東京・永田町の衆院第二議員会館周辺では二十八日正午、臨時国会が「加計学園」や「森友学園」問題を議論しないまま冒頭解散することに抗議する集会が開かれ、市民団体メンバーらが「党利党略の解散だ」「野党は共闘を」と訴えた。

 「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」などが主催。法政大の山口二郎教授は「数々の疑惑を隠すための解散だ。民主主義と平和を守る候補者を国会に送り込もう」。「安倍政権にNO!東京地域ネットワーク」の岡本達思さん(67)は「福島の原発事故の影響はまだ終息していない。一丸になって戦おう」と声を上げた。

 「市民と野党をつなぐ会@東京」の鈴木国夫さん(69)は「小池新党の評価について地域で徹底討論し、一人一人が判断を。市民は政治をあきらめない」と呼び掛けた。自由、社民、共産各党の国会議員もマイクを握り、「大義なき解散だ」と訴えた。

 参加した自治労職員の男性(52)は「野党がバラバラではダメ。個人的には民進党が希望の党と合流しようとする動きは評価していいと思う」と話した。 (土門哲雄)

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