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9.28ドキュメント

2017年9月29日

民進党などが欠席する中、衆院が解散され万歳三唱する議員=28日午後0時3分、国会で

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 衆院解散となった28日、国会周辺などは朝から選挙ムードに染まった。与野党の動きや街頭演説、市民集会−。一日の動きを追い、有権者の声を聞いた。(柏崎智子、土門哲雄、飯田克志、増井のぞみ)

9:00 民進党が党本部で執行役員会。前原誠司代表が、希望の党と「一緒に戦う」と表明。

9:20 安倍晋三首相が官邸入り。記者団に「正々堂々政策を訴えていく」。

9:30 希望の党代表の小池百合子東京都知事が自宅を出発。

10:00 自民党東京都連が党本部で緊急会合。

11:45 民進党が衆院控室で代議士会。

12:00 市民団体が臨時国会で「加計(かけ)学園」「森友学園」問題などを議論せず冒頭解散することに抗議する集会が衆院第2議員会館前で開かれる。

12:03 衆院本会議で大島理森議長が「日本国憲法第7条により衆院を解散する」と解散詔書を読み上げ。議席からは万歳三唱。民進議員は冒頭解散に抗議し、本会議を欠席。出席した一部野党議員も解散への抗議から、万歳しなかった。

13:00 都議会で経済・港湾委員会や公営企業委員会など4委員会が開かれる。

13:30 民進党が党本部で両院議員総会。前原代表は「政権交代のプラットフォームをわれわれ自身がつくる」と力説。

13:30 参院議員会館で市民団体が共謀罪の廃止を求める院内集会。共産党や社民党、参院会派「沖縄の風」の参院議員4人が参加。社民の福島瑞穂氏は「安倍首相が勝ったら、憲法9条の改憲や消費増税や秘密保護法、共謀罪の強行採決を国民が信任したといって突っ込んでいくだろう」などと訴えた。

15:40 小池知事が都内での記者会見で、2019年10月の消費税増税反対を表明。自身の衆院選出馬は否定。

17:35 安倍首相が公明党の山口那津男代表とともに渋谷駅前で演説。「ブームからは決して希望は生まれない」と小池知事の新党をけん制。

20:40 「安保法制違憲訴訟の会」が都内で開いた集会で、安倍政権の解散を批判し、改憲反対を盛り込んだアピールを採択する。

      ◇

◆元大学非常勤講師・西岡信之さん(61)

 昨年まで十六年間、那覇市に住み、教員を八年間務めた。沖縄ではオスプレイが日常的に飛んでいた。人を殺すための基地をつくらせるのは絶対におかしいと思っている。基地撤廃の候補者に投票したい。民進党は四野党共闘で安倍政権を倒そうとしたが、希望の党と合流してしまうのなら改憲につながる。脱原発を実行し戦争法や改憲に反対してくれるのはどの候補者か、しっかり見極めたい。

◆浅野浩子さん(55)

 昨年の都知事選から都政に興味を持った。自分は何も知らなかったと気付き、勉強したくて都議会に通い始め、本会議や委員会の傍聴を続けている。小池知事になって都政は変わったと思うので、オリンピックまで任期をまっとうしてほしい気持ちはあるが、国政に転身することにも賛成。国民に説明もせず臨時国会冒頭で解散するような国政のあり方に疑問があるので、改革してほしい。

◆アルバイト・竹下瑞基さん(21)

 約一年前に熊本県から上京し、アルバイトをしながら演劇の舞台に出て、俳優を目指しています。衆院選は、ブラック企業で不当な扱いを受けている人の労働環境を良くすることを基準に選びたい。待遇が悪くて苦しい人は、たくさんいると思うので。政治家は、貧しい人と目を合わせ、人間的に幅のある人がいい。知識がなくてもいいから、現状を知ったうえで、国民のために動いてほしい。

◆主婦・板鼻弘子さん(70)

 解散は、安倍政権が国会で追及されている問題をきちんと説明しないままなので、無責任。民進党は、小池都知事が希望の党で国政に出て行くために、利用されているように感じる。今回の選挙はこれまでと違って、選挙後の国がどの方向に向かうか先行きが見えず、とても不安。平和主義の憲法を大切に思っているので、選挙では各党に憲法改正について、考え方をきちんと示してほしい。

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