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論戦なし 憲政史に汚点 冒頭解散では戦後初

2017年9月29日

 二十八日に召集された臨時国会は、安倍晋三首相の所信表明演説や各党代表質問などを行うことなく冒頭で衆院を解散した。国会の召集直後に首相が冒頭解散に踏み切るのは戦後四回目で二十一年ぶり。改造内閣を含む新内閣が本格的な論戦をせず解散するのは戦後初めて。日本の憲政史に汚点を残す結果となった。

 戦後の冒頭解散は、一九六六年と八六年、九六年の計三回。いずれも解散より前の国会で新内閣や改造内閣が首相演説や代表質問などを行い、与野党に論戦の機会を確保していた。

 だが今年は、通常国会閉会後の七月二十四日、二十五日に、森友・加計問題を巡って安倍首相が出席する閉会中審査を開いたものの、八月の改造内閣発足後は安倍首相出席の質疑は一度も開かれず、政権側は問題の追及を避ける姿勢を鮮明にしている。

 安倍首相は、二十五日の記者会見で、消費税率を10%に引き上げた場合の増収分を幼児教育無償化などにも使うと表明した。しかし、解散でその是非を国会で審議することもできなくなった。 (中根政人)

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