与野党は二十九日、街頭演説などで安倍晋三首相の政権運営や衆院解散の大義を巡って舌戦を展開した。

　自民党の二階俊博幹事長は奈良市内での集会で「いろんなことを言って歩く政党があるが、自民党が必ず勝つ」と意気込んだ。公明党の山口那津男代表は大阪府守口市の街頭演説で自公連立政権の実績を列挙。「実績のない政党、かつて政権を取ったが失敗した政党に政権を任せるわけにはいかない」と力説した。

　民進党の前原誠司代表は愛知県岡崎市の集会で、臨時国会冒頭の解散を「大義がない」と非難。希望の党の細野豪志元環境相は静岡県富士市の新党結成パーティーで「森友、加計学園問題は権力のおごりだ。しがらみ政治の脱却を実現したい」と語った。

　共産党の志位和夫委員長は横浜市の街頭演説で「憲法を壊し、国政を私物化する暴走政治を続けさせていいのか。安倍政権を退場させ、国民の手に日本の政治を取り戻そう」と訴えた。

　日本維新の会は拠点の大阪府で候補者らが街頭に立って支持を呼び掛けた。自由党は希望の党を含む他の野党との連携について検討を急いだ。社民党は持ち回りの常任幹事会で新人擁立を内定した。