全国
2017年10月3日
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民進党は二日、衆院選を二十日後に控え、三つの勢力に分裂した。党全体で希望の党への合流を目指したが、枝野幸男代表代行が立憲民主党の結成を発表する一方、有力な前職が相次いで無所属での出馬を表明した。憲法や安全保障を巡る考え方の違いに目をつぶった合流構想に、党は一丸になれなかった。立憲民主の結党によってリベラル勢力の「受け皿」はできた。安倍政権に対抗するため、希望と立憲民主が候補者調整などで協力できるかが焦点になる。 (清水俊介、山口哲人)
枝野氏は二日夕、一人だけで記者会見に臨み、「構成員は今、私一人だ」と語った。新党結党に際しては参加メンバーが党首を囲む光景が一般的だが、あえて見送った。党がどの程度の規模になるかは明らかにせず、賛同する前職らの参加を待つ姿勢を示した。
候補予定者を示さなかった背景には、希望との神経戦がある。立憲民主が先に小選挙区の候補予定者を示せば、希望に対立候補を立てられるのではないか−。希望から公認条件として改憲と安保法容認という「踏み絵」を迫られ、そんな疑心暗鬼が生まれている。
関係者によると、民進前職らは希望側から「無所属で出るなら対立候補を立てない」と伝えられ、立憲民主への参加をけん制されているという。実際、希望の若狭勝前衆院議員は立憲民主の結成表明を受け「立憲民主の候補者の選挙区にはきちんと候補者を擁立する」と記者団に断言した。
ただ、希望代表の小池百合子都知事は本紙のインタビューに対し、自公政権との対決姿勢を示す一方、リベラル勢力への批判には言及しなかった。安倍政権に対抗する一点で、立憲民主と協力する余地を残したとも受け取れる。
無所属での出馬を表明した民進党の岡田克也元代表は記者会見で「私が目指すのは、保守からリベラルまで幅広い支持層に支えられた政党だ」と説明。希望についても「安倍政権を倒すという大きな目的は共有している」として、立憲民主や無所属に加え、希望から出る民進党出身者の応援に出向く考えを示した。
新党「立憲民主党」に参加する見通しの主なメンバーは次の通り。(敬称略、かっこ内は前職時選挙区など)
【衆院】
枝野幸男(当選8回、埼玉5区)
長妻 昭(6回、東京7区)
菅 直人(12回、東京18区から立候補予定)
阿部知子(6回、神奈川12区から立候補予定)
赤松広隆(9回、愛知5区)