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都知事新党は希望の星? 目新しさで人気 でも短命…

2017年10月4日

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 二十二日投開票の衆院選は、小池百合子東京都知事が率いる新党「希望の党」が台風の目だ。一九九二年に熊本県知事を経験した細川護熙(もりひろ)氏がつくった日本新党など、知事経験者が結党して国政選挙に臨んだケースは他にもある。与党側も新党ブームを警戒。ただ目新しい政策や政治スタイルで出足の人気を得ながら、離合集散するなど長持ちしないケースが多い。果たして希望の党は−。

 小池氏は都政透明化を訴えた改革イメージを背景に「都政を輝かせるため国政で改革勢力をつくりたい」と強調する。原発ゼロ、消費税増税凍結といった歯切れ良い政策を並べ、各社の世論調査で、衆院選比例代表の投票先として自民党に次ぐ支持を集める。

 小池氏も在籍した日本新党は九三年七月衆院選で躍進。同八月には細川氏が首相となり連立内閣を樹立した。当時を知る関係者は「リクルート事件など疑惑が続き、知事出身の細川氏の目新しさが受けた」と振り返る。だが細川内閣は献金疑惑などで、わずか八カ月で退陣。日本新党は九四年十二月に解党した。

 「大阪都構想」を掲げ大阪府知事から大阪市長に転身した橋下徹氏が結成し、二〇一二年十二月衆院選で五十四議席を得たのが日本維新の会だ。「第三極」として存在感を示したが、他党との合流や党名変更を経て、一五年八月に橋下氏らが離党。現在の日本維新の会は、当時とは別団体。

 一二年十二月衆院選は当時の嘉田由紀子滋賀県知事が率いた日本未来の党も参戦した。脱原発を訴え、百二十一人擁立したが、九議席に終わった。党内対立で、結党一カ月で分裂した。

 安倍晋三首相は三日、栃木県鹿沼市の街頭演説で、かつての新党ブームについて政治の混乱を招いたなどと振り返った。希望の党などには「人気先行のポピュリズム」(自民党議員)との批判もある。

 これに対し千葉大の新藤宗幸名誉教授(行政学)は「地方自治は国の政策に大きく左右される。真面目な知事ほど国政を変えたいと思うはずだ」と理解を示す。

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