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希望の党、民進出身者に「踏み絵」10項目

2017年10月4日

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 希望の党は衆院選の公認に当たり、十項目の「政策協定書」への署名を条件とした。安全保障関連法の適切な運用などを盛り込み、合流する民進党出身者に事実上の「踏み絵」を迫る内容。党への資金提供も約束させている。

 希望の党は衆院選の公認に当たり、十項目の「政策協定書」への署名を条件とした。安全保障関連法の適切な運用などを盛り込み、合流する民進党出身者に事実上の「踏み絵」を迫る内容。党への資金提供も約束させている。

 協定書の宛先は「小池百合子代表殿」。当選後は協定書の内容を守って政治活動することを誓う内容で、民進党から合流する候補者にのみ署名させた。

 安保法は「憲法にのっとり適切に運用する。現実的な安全保障政策を支持する」と記述した。当初案は「基本的に容認」という表現だったが、民進党側の要求で表現を弱めた。民進党は同法の柱である集団的自衛権の行使容認を違憲と批判し、昨年の参院選では「白紙化」を掲げていた。

 憲法について、協定書は「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」と明記した。民進党の綱領が「未来志向の憲法を国民と構想」と中立的だったのに比べ、改憲色が濃い。

 消費税率の10%への引き上げは「凍結する」とした。民進党は、前原誠司代表が消費税増税を財源に教育充実を訴え、衆院選で公約の柱になるとみられていた。民進党の前身の民主党が結党時に掲げた外国人への地方参政権付与については、「反対」と明記した。

 金額は記入されていないが「公認候補となるに当たり、党に資金提供をする」とある。政党側から公認候補に資金を提供するのが一般的だが、希望の公認を得るには資金提供が前提となる。小池氏が強調する二〇三〇年までの原発ゼロは、協定書にはない。

 上智大の中野晃一教授(政治学)は「希望への合流をトップダウンで決められた後に、署名を求められては追認するしかない。異様な感じがする」と疑問視した。 (我那覇圭)

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