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全国

譲れぬ争点、声上げる  

2017年10月6日

◆九条の会 「改憲勢力2/3占める危険」

 十日公示、二十二日投開票の衆院選を前に、護憲派の市民団体「九条の会」は五日、東京都内で記者会見し、「戦後日本の『戦争しない国』を作ってきた憲法の役割に改めて思いを致し、改憲を許さないという声を上げよう」との声明を発表した。

 会見したのは、事務局長を務める東大教授の小森陽一さんら。声明は「戦後日本の歴史と憲法の岐路に立って」とのタイトルで、来年の通常国会で改憲案が発議される可能性に触れた。東京都の小池百合子知事が率いる新党「希望の党」が憲法改正を掲げたことを挙げ、「自公勢力が後退しても、改憲勢力が三分の二を占める危険性が高まった」と指摘した。

記者会見する小森陽一・東大教授(左)ら「九条の会」のメンバー=5日、東京都千代田区で

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◆ママの会 「違憲の安保法看過できない」

 子育て中の母親らでつくる市民グループ「安保関連法に反対するママの会」もこの日、都内で記者会見し、東京や愛知、大阪など各地で活動するメンバーらが「だれの子どももころさせない」との横断幕を掲げて臨んだ。

 発起人の西郷南海子さん(30)は「安保関連法は憲法違反だと考えている。安保関連法だけが選挙の争点ではないが、重大な憲法違反をそのままにしておくことはできない」と述べ、安保法制廃止を訴える候補者を支援する考えを示した。

記者会見する「安保関連法に反対するママの会」のメンバー=5日、東京都千代田区で

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◆銀座デモ 「市民と向き合う政治家選ぶ」 

 安全保障関連法や原発再稼働、「共謀罪」法などに反対する市民団体らのデモが五日、東京・銀座などであり、約二千人(主催者発表)が参加した。十日公示の衆院選に向けて、「市民と向き合う政治家を選ぼう」と声を上げた。

 反原発団体などが中心となって開催。日比谷公園から銀座までの約二キロを、「安倍政権NO!」と書かれた横断幕を掲げて行進した。東京都杉並区の会社員三村正次さん(56)は「選挙後は受け入れがたい社会になるかもしれない。安保法制や改憲に反対だという意思表示のためにデモに参加した」と話した。

 これに先立ち、日比谷野外音楽堂で集会が行われ、野党連携を訴える市民団体「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」世話人の山口二郎・法政大教授(政治学)が「理念に忠実な政治が求められている」などと訴えた。

衆院選を前に野党共闘などを訴えてデモ行進する参加者=5日、東京・銀座で

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