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「共謀罪」審議忘れないで 新宿駅前で「コッカイオンドク!」

2017年10月8日

「共謀罪」法案をめぐる国会審議の様子を再現する参加者=7日、東京都新宿区で

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 衆院選公示を控えた三連休初日の七日、国会審議のやりとりを劇のように朗読する「コッカイオンドク!」の取り組みが東京都内などであった。新宿駅西口では弁護士の武井由起子さん(49)が主宰するグループが、「共謀罪」の趣旨を含む組織犯罪処罰法案を議論した今年の国会審議を、議員や閣僚の話し方の特徴をまねながら再現。通行人らが足を止めて耳を傾けた。

 参加者のうち四人が安倍晋三首相や金田勝年法相(当時)、民進党(当時)の山尾志桜里前衆院議員らにふんし、今年四月十七日の衆院決算行政監視委員会などの質疑を演じた。

 共謀罪の対象に森林法などが含まれているとして、山尾氏役の女性が「保安林でキノコや溶岩のかけらを取ることもテロ対策の資金源か」と追及すると、金田氏役は「森林窃盗は相当の経済的利益を生じることもあるから、組織的犯罪集団が資金を得るために計画することが現実に想定される」と答弁。立木や竹、キノコ、岩石なども含まれると説明すると、山尾氏役は「国民の常識とあまりにかけ離れた答弁だ」と批判した。

 コッカイオンドクは、共謀罪法案の審議の問題点を浮き彫りにしようと、金沢市の主婦小原美由紀さん(52)が考案し五月に始めた。衆院選で投票する参考にしてもらうため、七〜九日の日程で各地の賛同者に開催を呼び掛けている。

 今回初めて参加し、山尾氏を演じた東京都文京区の主婦秋元里文(さとみ)さん(46)は、「(法相らの答弁は)国会審議中もニュースで見て変だなと思っていた。これを大まじめに言っているなら、国民をばかにしている。それを思い出して一票を入れたい」と話した。

 コッカイオンドクのホームページによると、七日は新宿のほか千葉県我孫子市で実施され、八、九日も各地で開かれる。都内は八日午後一時、午後三時に新宿駅周辺で、同午後三時に調布駅前南口広場(調布市)で、同午後三時十分に巣鴨駅前(豊島区)で予定されている。(宮尾幹成)

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