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2017年10月10日

◆東京24区 加計逆風の首相側近

 東京24区(一部を除く八王子市)は、安倍晋三首相の友人が理事長を務める加計(かけ)学園の獣医学部新設問題への関与を疑われた自民前職の萩生田(はぎうだ)光一さん(54)が出馬。首相側近として政権批判の矢面に立ち、希望吉羽(よしば)美華さん(37)、共産飯田美弥子さん(57)、立憲民主高橋斉久(なりひさ)さん(44)の三新人の挑戦を受ける。

 萩生田さんは午前十一時半、JR八王子駅前での第一声で「間違ったことは一つもしておりません」と、あらためて加計問題への関与を否定。都市基盤整備や教育の充実を訴えた。

 元大阪府寝屋川市議の吉羽さんは午前九時半、同駅前で「しがらみ、忖度(そんたく)、お友達の政治はもうやめよう」と訴えた。

 飯田さんは今回の衆院選について「森友学園、加計学園を隠すための解散」などと政府批判を展開、午後から街頭での訴えを本格化する。高橋さんも午前十時半、同駅前で「平和憲法を守りつつ多様性を大切にし、誰もが居場所のある社会をつくる。これがリベラルの真の道だ」と主張した。 (服部展和、蜘手美鶴)

◆神奈川16区 前回接戦因縁の対決

 神奈川16区(厚木市、相模原市西南部など)は、元高校教諭で「ヤンキー先生」こと自民の義家弘介(ひろゆき)さん(46)と、民進から転じた希望の後藤祐一さん(48)の前職二人に、共産新人の池田博英(ひろひで)さん(54)が挑む構図になった。

 義家さんは前回、小選挙区で後藤さんに約千五百票差で敗れ、比例で復活。今夏までは、文部科学副大臣として加計問題の対応にも追われた。午前十時から厚木市の公園で北朝鮮情勢に触れながら、「国を守れるのは自民党。地元と一体で徹底的に汗をかいていく」と第一声。政権への支持を求めた。

 後藤さんは午前十時から小田急線本厚木駅前でマイクを握った。森友・加計問題を挙げ「今回は安倍総理にイエスかノーかの選挙だ。希望の党は右と左のど真ん中。小選挙区で勝たせてほしい」とアピールした。

 池田さんも同駅前で「安倍政権の暴走を止められるかの選挙。希望の党も安保法制に賛成している。国民のための政治ができるのは私たちだけだ」と訴えた。 (井上靖史、藤川大樹)

◆千葉12区 神奈川から突然国替え

 千葉12区(木更津市、館山市など八市町)では、自由公認で神奈川18区から立候補予定だった元職の樋高剛(たけし)さん(51)が急きょ、希望公認で出馬。父親の強固な地盤を引き継いだ自民前職の浜田靖一さん(62)に挑む。共産、社民の新人二人も立候補した。

 樋高さんは自由の小沢一郎代表の元秘書。神奈川18区などで当選し三期、衆院議員を務めた。木更津市で事務所は確保できたが、固定電話の設置が間に合わず、神奈川の旧事務所の電話を転送して使う。木更津市での出発式で午前十一時すぎ、「石にかじりついてでもやっていく」と語った。

 九回目の当選を目指す浜田さんは、木更津市のホールで出陣式。駆け付けた支持者の前で午前十一時ごろ、「他党がどうくっついても、自公のような固い絆はできない」と呼び掛けた。

 共産新人の大西航さん(36)は、JR木更津駅前で改憲反対や安全保障関連法の廃止を訴えた。社民新人の皆川真一郎さん(63)は、木更津市で奨学金制度の充実などを強調した。 (山口登史、福岡範行)

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