• 東京新聞ウェブ

全国

衆院選公示 党首第一声

2017年10月11日

◆自民党 安倍晋三総裁

少子高齢化の壁に挑む

 東日本大震災当時、私たちは野党。民主党政権下でなかなか復興が進まなかった。「一日も早く政権を奪還すべきだ」。この原点を忘れてはならないという思いで、福島で選挙戦をスタートした。復興を誰に託せるか考えてほしい。

 今回は、北朝鮮の脅威にいかに取り組むかを決める選挙だ。国際社会がしっかり連携し、圧力をかけて政策を変えさせないといけない。北朝鮮は意図的に脅威をあおっているが、屈してはならない。

 少子高齢化という大きな壁にも挑む。借金返しに多く使われていた消費税を、子どもたちや子育て世代への支援に使い、全世代型の社会保障に変える。

 自民党は野党時代、人気がなかったが、党の名前を変えたり、イメージだけ売ろうなんて思わなかった。ブームやスローガンではなく、政策こそ未来を切り開いていく。 (福島市で)

◆希望の党 小池百合子代表

安倍一強を終わらせる

 この国には何でもあるが、将来への希望が足りない。好景気の実感はあるか。まずは消費税増税を延期する。年金がかさむから消費税を上げるのは古い考え。私は東京都の一般会計の中から、既得権益のような予算を削った。ワイズ・スペンディング(賢い支出)に変えれば、(予算は)出てくる。都で実証済みだ。

 アベノミクスは国内総生産(GDP)をちょっと上げたからと言って大きな顔をするな、と言いたい。原発を二〇三〇年までにゼロにする工程表をつくる。高齢者には大学などで学び直しをしてもらう。働き方も変えよう。自宅で仕事できるテレワークを定着させる。

 政治の信頼を取り戻す。森友学園・加計(かけ)学園問題は八割近い人が納得していない。これまでの延長線の政権が続いていいのか。安倍一強政治を皆さんの一票で終わらせよう。  (東京都豊島区で)

◆公明党 山口那津男代表

教育に関わる負担軽減

 これから急速に少子高齢化時代が進む。未来の若い世代をしっかり育てないといけない。二〇一九年に10%に引き上げる消費税。増える税収の使い道を大きく変えて、教育負担の軽減を実現したい。ゼロ〜五歳の幼児教育を無償化し、私立高校授業料も実質無償化する。給付型奨学金も拡充したい。生活必需品には軽減税率を実施する。

 北朝鮮問題は、国際経験豊かな安倍首相に世界と連携して解決してもらわないといけない。安全保障法制に反対を叫んでいた人たちが、希望の党から「反対なら入れない」と言われて考えを変えた。小池氏から「排除する」と言われた人たちがつくったのが立憲民主党だが、中身は民進党、本をただせば民主党の人だ。政権運営に失敗した時の反省はないのか。自民党と公明党が力を合わせ、皆さんの声を実現するしかない。 (北海道岩見沢市で)

◆共産党 志位和夫委員長

野党共闘で未来を開く

 最大の争点は、安倍暴走政治を続けさせていいのか、にある。権力が憲法を無視して暴走している。暴走政治の行き着く果てが、森友・加計疑惑。これほど国政私物化疑惑にまみれた政権は戦後かつてない。安倍首相は国難突破解散と言っているが、安倍氏が首相に居座り続けることこそ最大の国難だ。

 アベノミクスがもたらしたのは格差の拡大だけ。消費税10%への大増税はきっぱり中止だ。原発の再稼働反対は既に国民的合意になっている。憲法に自衛隊を書き込めば、戦力を保持しないとした九条二項は空文化、死文化し、無制限の海外での武力行使が可能になる。平和憲法を守ろう。

 自民党と希望の党の政策に違いはなく、選挙は自民、公明とその補完勢力対市民、野党による共闘という二極の構図だ。共闘こそ希望、未来を開く力だ。 (東京都新宿区で)

◆立憲民主党 枝野幸男代表

上から目線の政治変革

 希望や夢を持てない若者をたくさんつくったのは政治だ。格差を拡大させ、強い者をより強くしたが、どんどん分厚い中間層が壊れていった。自己責任や自由競争をあおるのは政治の責任放棄。壊されてきた社会や暮らしを取り戻さなければならない。残された時間は多くない。少子高齢化は進み、格差拡大で社会が分断されている。

 一握りの政治家が自分のために権力をもてあそび、自分の都合で国民に自分の価値観を押しつけるのが民主主義なのか。(安倍政権は)森友・加計問題で情報を隠し、ごまかし、開き直る。安保法制、特定秘密保護法、「共謀罪」法では国民の大きな反対の声があっても説明しようとしない。上から目線で国民に言うことを聞かせる。上からの政治を、草の根からの政治と政策に変えていく。衆院選ではその第一歩を踏み出したい。 (仙台市青葉区で)

◆日本維新の会 松井一郎代表

予算の使い方を見直す

 民主党政権当時、東日本大震災の復興増税を国民にお願いし、今も市民税に千円上乗せされている。増税をお願いするならと国会議員の報酬二割カットを始めたが、(特例措置は終了し)約束はほごにされた。党首討論で各党に聞いたが、皆さん聞こえないふりだ。腹が立って仕方がない。

 大阪府は十一年連続赤字だったが、職員数を絞り込み、人件費、事務経費が浮いた。天下り先にメスを入れるなどの改善で黒字になり、借金を返し全国一の教育環境を整えた。幼稚園、保育園から、高校まで私学を含め無償になった。これを全国に広げたい。

 国会議員が優遇されている状態で、消費税増税を良しとすると、お金が足りないたびに増税を求められる。国民の生活は苦しくなるばかりだ。徹底的に役所のお金の使い方を見直してから、増税を考えるべきだ。 (大阪市中央区で)

◆社民党 吉田忠智党首

憲法9条変えさせない

 安倍首相の政治姿勢が問われる選挙だ。(安倍政権は)特定秘密保護法、安全保障関連法、「共謀罪」法を強行した。憲法をもないがしろにし、九条まで変えようとしている。

 首相は自衛隊を(憲法に)明記し、憲法改正の国民投票をしたいと明言したが、憲法違反の安保法にお墨付きを与えることになる。自衛隊が米軍と世界中に行き、武力行使することにもつながる。九条は世界との信頼の証し。九条を変えさせない。その民意をしっかり広げていく。

 一握りの富裕層のために、99%の国民を犠牲にする経済政策を続けさせていいのかが問われている。非正規労働者は二千万人を超えた。幸福追求権はおろか、生存権も保障されていない現状がある。労働法制の改悪を許さず、働く人が安心して働けるよう法整備をしっかり進めていく。(大分県臼杵市で)

◆日本のこころ 中野正志代表

自主憲法制定を

 この頃やっと憲法改正の機運も出てきた。私たちは結党当初から自主憲法制定を訴えている。戦後七十二年。国民の国民による国民のための日本国憲法、日本のお国柄がしっかりと盛り込まれたものをつくりあげなくてはならない。安倍首相の(政権の)時にこれを仕上げたい。参院では自民党と統一会派を組んでいる。選挙が終わったら頑張らせていただきたい。(東京都千代田区で)

(並びは上から公示前勢力順)

主な政党の公約

新聞購読のご案内