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公約冊子に見る各党戦略

2017年10月15日

各党の公約冊子。(上段左から)自民党、希望の党、公明党(下段同)共産党、立憲民主党、日本維新の会、社民党(日本のこころは公約冊子は出していない)

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 衆院選で主要政党が掲げる公約を読むと、どこに最も力点を置き、どんな層を狙っているのかなど、さまざまな戦略が見えてくる。二十二日の投開票まで一週間。公約の冊子をじっくり読み比べてみては−。 (高山晶一)

■自民 外交力強調

 安倍晋三首相(党総裁)の国連演説写真を冒頭に掲載。続けて米国、ロシア、英国など各国首脳との会談写真も載せた。外交力をアピールする狙いだ。少子高齢化を含め、全体に危機感を強調して「守り抜く」というフレーズも多用。アベノミクスの「実績」も数字を並べて詳述した。

■希望 対決色前面

 安倍政権との対立軸を際立たせる構成。九つの公約のうち「消費税増税凍結」「ポスト・アベノミクスの経済政策」など対決色の強い政策を一〜四番目に置き、政権と立場が同じ改憲、安全保障は八、九番目に。

■公明 生活者目線

 子育て世代への支援など生活者目線を強調。自衛隊を明記する改憲に消極姿勢を示しつつ、「意図は理解できないわけではありません」。二重否定表現で首相への配慮を見せる。

■共産 市民と共闘

 「市民+野党」と表紙に記載。重点政策の最初に森友・加計(かけ)疑惑の究明を掲げた。安倍政権だけでなく希望の党も「野党共闘への逆流」と敵視。小池百合子代表を「安倍暴走政治の重要な推進者」と批判する。

■立憲民主 包摂訴え

 「中間層再生」「社会的包摂」など安倍政権と違う理念の訴えに軸足を置く。憲法で権力を抑える立憲主義の説明や、農家の戸別所得補償、一括交付金など民主党政権時の看板政策も。

■維新 法案ずらり

 国会議員の報酬削減など「身を切る改革」を強調。国会提出した法案百八本の一覧も載せ、政権をとったらすべて実現するとした。野党が法案の「実績」を掲げるのは珍しい。

■社民 憲法を引用

 「憲法を活(い)かす政治」を看板に。「一三条の幸福追求権などを活かし、くらしを建て直します」など多くの条文を引用している。

■こころ マイレージ

 自主憲法制定に加え、消費税の一部を将来還付するマイレージも提案する。

主な政党の公約

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