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首相、最終演説はアキバ? 都議選惨敗でトラウマ 変えるか必勝パターン

2017年10月16日

 安倍晋三首相(自民党総裁)が、選挙戦最終日の二十一日にどこで演説するかに注目が集まっている。過去四回の国政選挙は東京・秋葉原を締めの舞台に選び、勝利を収めた。今回も「必勝パターン」(党幹部)を踏襲したいところだが、今年七月の都議選では同地で「安倍辞めろ」コールを浴び歴史的惨敗を喫した。国政選挙連勝の験を担ぐか、都議選のトラウマから場所を変えるのか−。

 「政権奪還の原点を忘れてはならない。今回も福島で選挙戦をスタートします」。衆院選公示日の今月十日、首相は実りを迎えた福島市の田んぼを背に声を張り上げた。

 国政選挙での首相の演説場所には法則がある。政権を奪還した二〇一二年衆院選は、東日本大震災の被災地・福島市で第一声を上げた。

 最終日の夜には、秋葉原で熱狂的な支持者を前にフィナーレを飾り、二百九十四議席を獲得して圧勝した。

 以後、第一声は福島県などの被災地で、最終演説は秋葉原で行うパターンが定着。一三年参院選、一四年衆院選、一六年参院選と勝ち続けて「勝利の方程式」を確立した。

 異変が起きたのは今年七月の都議選だ。森友、加計(かけ)学園問題で逆風が吹く中、最終日に秋葉原で演説に立った首相は、やじを飛ばした聴衆の方を指さし「こんな人たちに負けるわけにはいかない」とやり返した。結果は小池百合子東京都知事が率いる地域政党「都民ファーストの会」に大敗。発言はテレビで繰り返し流され批判を浴びた。

 今回、自民党は首相の最終演説地として、やはり秋葉原を検討する。だがインターネット上では、首相の街頭演説に駆け付け退陣を求めようと呼び掛ける投稿が相次ぐ。演説場所に関する情報発信も盛んだ。自民党側も“挑発”や混乱を警戒してか、これまで演説場所を直前に変えるなどした。

 秋葉原を選べば首相批判のプラカードが待ち受け、変更すれば「敵前逃亡」のそしりを受けかねない。自民党サイドは慎重に最後の舞台を決める考えだ。

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