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自民引き締め 無党派層狙う野党

2017年10月18日

 衆院選で自民党が優位を保っている。希望の党は失速が際立つ一方、立憲民主党は勢いを増す。二十二日の投開票に向けて無党派層を奪い合い、その結果が最終的な行方を左右しそうだ。

 「皆さんの力を結集してほしい。どうかこの後、投票箱に足を運んでください」。安倍晋三首相(自民党総裁)は十七日、秋田県横手市で街頭に立つと、陣営発表で三千人の聴衆に期日前投票を促した。

 十六日夜、首相は党本部で開いた選対本部幹部会合で「愚直に政策を訴えたい」と語り、気の緩みを戒めた。会合では、野党候補と競っている四十九選挙区を重点区に指定。二階俊博幹事長は十七日、高知県での応援を取りやめ、東京都内で支持組織や団体を回って支援するよう念押しした。

 戦いを手堅く進めるのは、選挙中に優劣がひっくり返った例があるためだ。

 石破茂元幹事長は十七日、新潟市で「敵がばらばらに割れている。敵のエラーで勝っても実力でも何でもない」と指摘。野党幹部は「自民には消極的な支持が流れているだけだ」と風向きの変化に期待する。

 劣勢が伝えられる野党は、一議席でも多く積み上げようと必死だ。新しい政党は支持基盤が弱いため、無党派層を狙う。

 「気持ちが折れては勝ち抜けません。諦めず、めげずに粘り強く頑張ってください」。希望の小池百合子代表は十六日夜、全候補者へのメールで危機感をあらわにした。

 「ここまできたら代表と心中だ」。都内のある陣営は、自分だけ写ったポスターを小池氏と握手するものに張り替えた。人気に陰りがあるとはいえ、小池氏の知名度に懸ける。一方、演説で党名や小池氏の名前に触れない候補者も出てきた。近畿地方の候補者は「元々の民進党支持層や無党派層への働き掛けを強める」と、作戦を練り直した。

 立憲民主の枝野幸男代表は十七日、都内の街頭で「安倍さんがこれ以上勝手なことができないようにするには小選挙区でどれぐらい勝てるかだ」と声を張り上げた。保守を掲げる希望よりも、安倍政権の批判票の受け皿になり得ているとして終盤に向け、枝野氏の街頭での露出を増やし、無党派層やリベラル支持層への浸透を図る。

 共産党は埋没への危機感を強める。日本維新の会は伸び悩みに苦慮。社民党、日本のこころはそれぞれ、党首の地盤がある比例九州、東北ブロックでの議席確保に全力を尽くす。

主な政党の公約

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