超大型で強い台風２１号の接近に伴って本州南岸に停滞する前線の活動が活発になり、衆院選投開票日の２２日は太平洋側を中心に大雨が予想される。各地の自治体は、投票の繰り上げのほか、災害時の人員確保の検討など対応に追われた。　

　気象庁によると、台風は二十二日に沖縄に接近、二十三日に西日本から東日本に上陸する可能性がある。さらに、日本の南岸に停滞する前線が、台風が運ぶ暖かく湿った空気で活発化し、台風とともに北上する見通し。台風の接近前の二十二日から、九州から東北の太平洋側では非常に激しい雨が降り、局地的には猛烈な雨になる恐れもある。

　十九日から二十日にかけ、各地の自治体は、投票日や投票終了時間繰り上げを決めたほか、安全な投票のため期日前投票の利用を呼び掛けている。

　徳島県では、災害時の避難所に指定されている開票所があり、県選管は開票と避難のスペースをきちんと分けるように市町村に通知した。担当者は「選挙も災害も、小規模自治体では職員を総動員する事案。住民の安全と選挙の公正を両立するようにしなければ」。

　国内有数の多雨地帯を抱える三重県は、投票日を遅らせる「繰り延べ投票」を視野に入れる。実施すれば一九七四年七月の参院選の際、豪雨で県内四カ所の投票所が水没し、一週間遅らせて以来。四十年以上前で資料が少なく、県選管は手続きなどの確認に追われた。