• 東京新聞ウェブ

全国

選挙戦、敵は雨・寒さ 各陣営 対策に苦労・工夫

2017年10月21日

写真

 十日の衆院選公示後、各陣営を悩ませたのは空模様だ。東京都内では雨や曇りがちで、気温が平年を下回る日が続いた。雨交じりの肌寒い天気の中、声をからして支持を呼び掛けた候補者たち。二十二日の投開票日の天気を気にしながら、最後の訴えに繰り出した。

 「雨の日は、手にしてもらえるチラシが半分近く減る」。東京・下町地域の前職の陣営スタッフは恨めしそうに話す。傘を差し、かばんを手にした人だと、なかなか受け取ってくれない。渡す時も、チラシが雨にぬれないよう、ナイロン袋にしまったり、懐に抱えたりするなど一手間必要になる。別の前職の陣営関係者は「ぬれたチラシをドライヤーで乾かして使うこともある」と明かす。

 街頭演説も、商店街のアーケード前や駅ビル近くなど、聴衆が雨にぬれないような場所を探す。二十三区南部の前職の選対幹部によると、選挙区内で乗降客の多い駅は限られ、他候補とも競合するが、「譲り合いの精神」で順番を決めているという。

 東京管区気象台によると、東京は十日は晴れて、最高気温が二八・六度と夏日となり、十二日も二九度を記録。ところが、十三日以降は雨や曇りが続き、平均気温が平年の十月中旬の一七・八度を連日下回った。

 「暑かった当初はクーラーボックスでおしぼりを冷やしていた」という都心部の元職陣営は、「雨でずぶぬれになるから、代わりにバスタオルを常備したがとても足りない」。別の元職陣営は、移動の車両にビニール傘が約三十本も。「コンビニで買い足すうちにたまった」という。

 十九日には最低気温が九・九度と、十一月上旬から中旬並みまで低下した。同日夜、駅前でチラシ配りをしていたボランティアの女子大学生(20)は「こんなに寒くなるならカイロでも用意すればよかった」と手をかじかませていた。

 二十二日の投開票日は、台風の接近で各地で大雨が予想されている。

 ターミナル駅を選挙区に抱える前職陣営のスタッフは「悪天候だと投票率が下がる。期日前投票を呼び掛けるようにしている」と話した。

主な政党の公約

新聞購読のご案内