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小池流 希望遠のく パリで敗戦の弁「私におごりや慢心あった」

2017年10月23日

22日、パリ市内のホテルで、厳しい衆院選の情勢を受けて記者会見する希望の党の小池代表=竹田佳彦撮影

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 安倍一強に対する反発や九条改憲への不安を抱く有権者が希望を託したのは立憲民主党だった。失速した希望の党の小池百合子代表は「私自身にもおごりや慢心があった」と力なく語った。改憲を訴えた自民党や希望の党などが三分の二を超え、有権者からは「戦争ができる国にはしてほしくない」との声も聞かれた。台風の影響で大荒れの天候の中、平和や暮らしの向上を願って有権者は投票所に足を運んだ。

 「非常に厳しい結果だ。敗因はこれからしっかりと分析しなければならない。反省をベースに都政にまい進していく」

 知事公務でパリに出張している希望の党代表の小池百合子東京都知事は二十二日午後一時(日本時間同八時)、記者団の前に姿を現した。報道各社が質問をぶつけたのは、同党の苦戦が伝えられる衆院選の情勢。小池代表は選挙結果を受けた自らの対応について「党を立ち上げた責任がある」として、代表の辞任はきっぱり否定した。

 記者三十人ほどが集まったホテルの一室。報道各社のカメラに囲まれ、いすに腰掛けたが、両膝に置いた両手を組んだまま、表情は硬い。

 冒頭、民進党からの合流希望者の一部を「排除する」とした自らの言葉について「私自身の発言などに、皆さんに不快な思いを抱かせてしまったことについては申し訳ないと思う」と陳謝。自身の態度に「おごりがあった」「政策本位を訴えながら、厳しい選挙にしてしまった」と反省の言葉を終始口にした。

 今後については「国政は国政の方にお任せしたい」と、都知事の職務を重視する姿勢をみせた。

 小池代表は、世界の主要都市の首長らが集まる環境に関する国際会議に出席し、都知事としての職務をアピール。衆院選の情勢は会議の合間に知ったという。(パリ・阿部伸哉、竹田佳彦)

     ◇

 東京都港区のホテルに設けられた希望の開票センターには、二百人近い報道陣が詰めかけた。

 午後八時直前、結党メンバーの細野豪志元環境相と、樽床伸二代表代行は険しい表情で登壇。直後にテレビが自公の圧勝を報道すると、代表不在の会場には重苦しい雰囲気が漂った。

 小池代表が率いた地域政党「都民ファーストの会」が圧勝した七月の都議選で、次々と当選確実の報が入り、ボードが緑の花で埋まった光景とは一変した。背後のパネルに掲げられた緑の花はまばら。花を付ける樽床代表代行に笑顔はなかった。

 「選択肢を示すことができた」と強がってみせた細野元環境相だが、言葉とは裏腹に表情は硬いまま。「厳しい結果と受け止めている」と力なく答えた。

 樽床代表代行は、失速のきっかけとなった「排除」発言について問われると、「政策の一致が政党に必要だという純粋な思いからだった」と小池代表をかばう一方、「言葉がきつかったのは反省したい」と声を沈ませた。 (中沢誠)

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