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安倍首相会見詳報 北朝鮮 来日するトランプ氏と協議 / 経済 消費税の使い道教育に

2017年10月24日

 安倍晋三首相(自民党総裁)の記者会見詳報は次の通り。 

 【衆院選】政権奪還から五年、国民から厳しい視線が注がれる中、衆院解散・総選挙に臨んだ。厳しい戦いは覚悟の上だったが、困難な課題に挑戦するためには国民から信任を得なければならない。その決意の下、連立与党で過半数を目指し、政策を訴えた。結果、目標を大きく上回る力強い支持をいただいた。与党の議席は三分の二を超えた。自民党単独でも絶対安定多数を大きく上回る議席を得た。

 安定した政治基盤の下、政治を前に進めよと国民から背中を押していただいたことに感謝申し上げる。

 衆院選で自民党が三回連続で過半数の議席をいただいたのはほぼ半世紀ぶり、同じ総裁の下で三回続けて勝利したのは結党以来六十年余りの歴史で初めてだ。だからこそ謙虚に政策を進めなければならない。身の引き締まる思いだ。自民、公明両党の強固な連立の下、安定した経済政策、外交安全保障政策を進め、選挙で約束した政策を一つ一つ実行し、結果を出す。

 【改憲】憲法改正は今回初めて公約の主要項目の一つに位置付けた。改正すべき四項目を具体的に掲げた。二〇二〇年施行の目標は、議論を活性化するために述べた。スケジュールありきではない。公約に掲げた基本的な考え方に沿って具体的条文について党内議論を深め、自民党としての案を国会の憲法審査会に提案したい。

 その上で国会の議論、国民的理解を深めたい。希望の党はもちろん与野党にかかわらず、幅広い合意を形成するよう努力を重ねていかなければならない。与党で三分の二をいただいたが、与野党で幅広い合意形成に努め、国民投票で過半数を得るべく理解を得るよう努力したい。今回の選挙において、民意を得る、得ないというものではないだろうと思っている。

 憲法改正を決めるのは国民投票だ。国民投票で具体的条文を説明する責任がある。合意形成をするための努力をする。当然その努力は、野党第一党であろうと第二党であろうと第三党であろうと第四党であろうと、しなければならない。しかし政治だから、全ての皆さんに理解をいただけるわけではない。努力を払うことは当然で、努力を重ねたい。

 【北朝鮮、外交】緊迫する北朝鮮情勢でも、いただいた信頼を背景に力強い外交を展開する。来月五日にトランプ米大統領が来日する。北朝鮮情勢についても時間をかけて協議し、緊密な連携を確認したい。アジア太平洋経済協力会議(APEC)や東南アジア諸国連合(ASEAN)関連会議を利用し、ロシアのプーチン大統領や、中国の習近平(しゅう・きんぺい)主席とも議論したい。毅然(きぜん)とした強い外交力で北朝鮮の核・ミサイル、拉致問題を解決する。北朝鮮に政策を変更させるため、国際社会との連携を一層強める。

 いかなる事態にあっても、国民の命と平和な暮らしを守り抜く。

 【経済政策】持続的な成長の鍵は、少子高齢化への対応だ。アベノミクス最大の挑戦だ。生産性革命で全国津々浦々まで、賃上げの勢いをさらに力強いものとし、デフレ脱却を目指す。そして人づくり革命を続ける。幼児教育無償化を一気に進め、真に必要とする子どもたちには高等教育を無償化する。消費税の使い道を見直し、子育て世代、子どもたちに大胆に投資することで、社会保障制度をお年寄りも若者も安心できる、全世代型の制度へと改革する。年内に政策パッケージを策定し、可能なものから速やかに実行する。

 【政権運営】今まで以上に謙虚で真摯(しんし)な政権運営に全力を尽くさなければならない。〇九年に野党に転落した。有権者の声に耳を傾けるところからスタートし、国民が何を望んでいるか真摯に向き合い、政策を磨き上げた。政権を取り戻し、政策を実行することで結果を出した。

 未来を開くことができるのは、人々の耳目を引くようなパフォーマンスではない。耳触りの良いスローガンでもない。政策だ。政権奪還のときの初心を忘れることなく、自民党が一丸となり、公明党とスクラムを組み、全ては国民の負託に応えるため、ひたすら政策の実行にまい進する。

 【特別国会、人事】トランプ氏が来日する来月五日までに召集し、首相指名選挙を行う必要がある。人事はこれからよく考える。

 【森友、加計(かけ)学園問題】選挙戦でも丁寧に説明した。私や自民党に大変厳しい目が向けられている。当然これからも国会で質問いただければ、丁寧に説明していく。

主な政党の公約

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