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18人 伸び悩む女性候補 県議選 前回比で2増

自民会派の控室。ダークスーツの男性議員が行き交うが、6月定例会では雰囲気が変わるかも

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 県議会の二月定例会。会期中に議会棟六階にある最大会派の自民党の控室をうかがうと、テニスコートほどの広さの大部屋を紺色スーツ姿の面々が行き交っていた。会派に所属する五十一人はいずれも男性だ。

 似たような雰囲気は向かいの控室にも。第二会派で千葉民主の会も議員十一人全員が男性。その隣にある第三会派の公明も八人すべてが男性だ。同じフロアにある第四会派の立憲民主の控室でやっと二人の女性議員を見つけられた。

 女性議員はほかに、同棟三階に共産の二人、市民ネット・社民・無所属に三人、千翔会一人。任期途中で辞職して君津市長に転じた石井宏子さんを含めて計九人で、定数(九五)の一割に満たない。(議員数は前回当選時点)

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 六月定例会では様子が変わるかもしれない。自民が初めて浦安市、船橋市の両選挙区で女性市議を擁立したからだ。いずれも無所属での出馬で県連が推薦。茂原市、佐倉市・酒々井町、富里市の選挙区でも自民系の女性市議が立候補を予定する。県連幹部は「今は男所帯だが、これからは女性の視点を県政で反映させていかねばならない」。

 候補者男女均等法が昨年五月に施行された後、初の統一地方選。だが女性候補の出馬見込みは、現時点で十八人。一九九九年以降で最低だった前回(十六人)と比べて二増にとどまる。

 統一地方選の候補者で女性の比率40%を目指す立民。公認十三人のうち、女性は現職二人と市原市選挙区の新人一人の計三人(23%)にとどまる。県連副代表の宮川伸衆院議員(比例南関東)は「女性で出たい人が、なかなか見つからない。自分の選挙区(千葉13区)で会社社長や弁護士ら六人に打診したが良い返事はもらえなかった」と明かす。

 女性の立候補予定はほかに、共産が現職一人、市原市、千葉市緑区の両選挙区の新人二人の計三人。国民は現職と新人の一人ずつを推薦。社民が現職一人、市民ネットが佐倉市選挙区の新人一人などとなっている。

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 浦安市議会で二十一人のうち女性が八人を占めるなど、各市議会では多くの女性が活躍するが、県議会では少ない。女性県議に聞くと「県では生活者の視点を生かしにくい」「選挙活動の範囲が自治会から市などの選挙区全体になり、体力的にハード」といった声が上がった。

 一方、山本友子県議(市民ネット)は「育児や家事を、もっと男女で分担すべきだ」と指摘。市原市議を含め二十年の議員生活を振り返り「女性が議員になると、嫌悪感を持つ人がまだいる。議会で女性が三分の一を占めると社会が変わる」と語った。 (村上豊)

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 二十九日告示、四月七日投開票の県議選と千葉市議選を皮切りに、平成最後の統一選が始まります。各選挙区の情勢のほか、投票率向上に向けた取り組みなどを随時、掲載します。

 

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