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質問から議員の「通信簿」 淑徳大生、千葉市議調べ 政治に関心

千葉市議の一般質問を見比べながら話し合う学生たち=千葉市中央区の淑徳大で

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 2015年の公職選挙法の改正で、選挙権年齢が18歳以上に引き下げられて初めてとなる統一地方選。県内では、既に衆院選や知事選など18、19歳の10代の有権者が1票を投じる機会があったが、若者世代の投票率は伸び悩んでいる。淑徳大(千葉市中央区)は、学生たちが千葉市議会の一般質問を分析したり、市議選の立候補予定者と討論したりするなど、政治への関心を呼び起こす取り組みをした。 (黒籔香織)

 「性的マイノリティーや動物愛護について質問していて穏やかな人そう」「財政の質問が多い」「エレベーターの点検とか、街を細かく見ている」…。

 淑徳大コミュニティ政策学部の矢尾板俊平教授のゼミに所属する新四年生七人は三月八日、一五〜一八年度に千葉市議が一般質問で市側に聞いた内容を見比べ、議員全五十人の「通信簿」を付けた。

 矢尾板教授は「質問から市や区の課題が見えてくる」と説明。ゼミ生は質問回数や、質問する内容からにじみ出る人間性などで議員を三段階に分け、うち四人を「質問『いいね!』賞」に選んだ。

 同二十六日には千葉市稲毛区で、市議選稲毛区選挙区の立候補予定者八人を招いて討論会を開き、子育て支援やJR稲毛駅前の再開発などについて意見を交わした。動画を撮影し、ネットでライブ配信もした。

 立候補予定者からは「投票は三十年、四十年後の自分の生活を支える」「生活の全てが政治につながる。地域活動に参加すると良い」など若者の政治参加を歓迎する声が上がった。

 司会を担当したゼミ生の橋本淳史さん(21)=千葉市=は「議員は堅いイメージだったが、物事をはっきり言う人や市全体を考えて意見を言う人など、いろいろな人がいることが分かった」と感想を話す。「一部の人の意見で物事が決められないよう投票に行こうと思った」

 一七年十月に実施された衆院選で県内の投票率は49・89%だった。一部を抽出した調査によると年代別では十八、十九歳は40・32%、二十〜二十四歳は29・47%で最も低かった。一七年三月の知事選も31・18%の投票率に対し、抽出調査で二十〜二十四歳は18・28%にとどまった。

 矢尾板教授は、若者に投票を促すには、まだまだ壁は高いと指摘する。「議員の通信簿を付けるなど、楽しみながら身近な事を調べて、体験しながら政治に親しみを持つことが大切」と話している。

 ◇ 

 淑徳大の学生がまとめた千葉市議の一般質問の質問状況や討論会の動画は、矢尾板教授のホームページ(http://yaoitashumpei.net/?page_id=320)で公開している。

千葉市議選の立候補予定者との討論会で発言順を決めるくじを渡す学生(右)=千葉市稲毛区で

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