統一地方選の水戸市長選と市議選(定数二八)で、期日前投票の投票率が同期比で、過去最高を記録した。市選挙管理委員会が学生や商業施設と協力し投票所を増やすなどし、工夫してきたのが奏功している。ただ全体の投票率は過去二回、50%を割っており、市選管は投票の呼び掛けに力を入れる。 (山下葉月)
期日前投票は十五日から始まり、十七日現在で投票率は5・14%と過去最高になった。期日前投票が現在の形になった過去二回の市長選と市議選をみると、三日目終了時点で二〇一一年は3・2%、一五年は4・07%だった。
市選管は選挙のたびに、期日前の投票所を増やしてきた。今回からは、通勤・通学の人をターゲットにJR水戸駅直結の商業施設「エクセルみなみ」にも設置した。十八日夕、勤務後に投票に来た屋代ひろ子さん(68)は「仕事帰りに立ち寄れるし、駅にも近くてとても便利」と話した。
常磐大には十六日、一日限定の投票所を設置。三、四年生十三人が運営し、音楽を流したり、飲料を提供してリラックスできる雰囲気を演出した。常磐大での設置は、国政選挙を含め五回目で、今回は学生や教職員、住民計百七十四人が投票し、過去最多となった。
運営に携わる砂金祐年(さちとし)准教授(政治学)は「大学で投票できることが、地域に浸透している。学生の投票者数も増え、投票への敷居が下がってきている」と意義を強調する。
市選管の担当者は「市民が投票しやすい場所に設置できるようになり、利便性が向上した」と手応えを感じる。一方、全体の投票率は市長選で一一年が47・68%、一五年が47・53%と減少傾向で、投票の呼び掛けを継続する。
期日前投票は二十日まで。投票所は市役所本庁舎、常澄、赤塚、内原の支所、県トラック総合会館、エクセルみなみの計六カ所で、いずれも午後八時まで開設している。
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