宇都宮市議選で、市などが整備を進める次世代型路面電車(LRT)に「税金の無駄遣い」などと反対してきた市民グループ「宇都宮市のLRT問題連絡会」共同代表の保坂栄次さん(68)と、副代表の出井昌子さん(56)が初当選した。
ともに無所属で戦い、保坂さんは初めて、出井さんは前回に続いての挑戦だった。二人は「選挙中、改めて市民の反対の声の大きさを感じた」と振り返った。
保坂さんは、鬼怒通りの沿線で本格化する用地買収に向け、反対する地権者と連携するなど新たな反対運動を展開するという。「大きな傷口を広げないためにも、工事を阻止したい」と話した。
来年秋と見込まれる市長選では、反対する市民グループや政党などが結集して戦うことを目指す。
一方、出井さんは「選挙中はLRTを前面に出さずに他の施策でというアドバイスもあったが、断固反対の声を多く聞いた」と振り返った。「選挙結果は草の根の力の証明。工事の見直しを求め、新たな風を吹き込みたい」と意気込んだ。
LRTに反対する勢力では、二人が当選する一方、落選した現職もいた。
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