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18歳選挙権 初の投票 10代は… 芽生えた関心、分からず当惑 交錯

本物の選挙道具を使って模擬投票をする生徒たち=2月、多摩市の大妻多摩高で

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 選挙権年齢が十八歳に引き下げられ、初めて迎えた統一地方選。十四日、身近な市区長と議員選が告示され、後半戦に突入する。若者の投票率の低さを懸念する自治体が啓発に躍起になる中、都内の十八歳の高校生や大学生には期待と心配の声が交錯している。 (松村裕子)

 大妻多摩高校(多摩市)に府中市から通う三年行方安希(なめかたあき)さん(17)は四月生まれ。投票日より前に十八歳になる。二月に学校で主権者教育の模擬投票に参加し、府中市議選の選挙権があると知った。

 自宅ポストに入る政党や政治団体のチラシを保存し、選挙の新聞記事も気になり始めた。「投票で市政に関わる感じがする。子育てに力を入れる人を選びたい。将来、自分も子育てしながら働きたいから」と投票の基準も決めた。

 同級生の須田陽花理(ひかり)さん(18)は、居住する世田谷区が区長と区議のダブル選。「若い人が投票に行かないと、高齢者向けの政策ばかりが重視される」と考え、「二十歳より若い世代の意見も政治に取り入れられる」と引き下げを歓迎する。

 逆に、府中市の大学一年前沢健太さん(18)は「自分は社会のことがよく分かっていない。分からずに入れる票が増えるのでは」と心配する。若者の投票率が低いのは「行く気がないからでなく、無責任に投票したくないからだ」と推測。同市が募集した投票所の受け付けアルバイトに応募し「この機に政治について考えて成長したい」と話す。

 川上和久・国際医療福祉大教授(政治心理学)は「十八歳だと政治と自分とのつながりを実感しにくいが、小遣いで買い物をすると消費税を納め、税金は身近な学校の運営費や道路の建設費に使われている」と指摘。「身の回りのことで、自分が望むことを語っている候補者を探すところから始めては」と助言する。

 若者と政治をつなぐ活動をするNPO法人「ユースクリエイト」代表理事で、大学生の菅将大(かんまさひろ)さん(24)も「政策を見るのはしんどい。まずは見かけた候補者が、自分に関心のあることを取り上げているかを調べてみよう」と促す。

 

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