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5市長選に11人立候補 20市議選には595人

候補者の訴えを聴く有権者=都内で

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 統一地方選後半戦の区市長選、区市議選が十四日告示され、多摩地域では五市長選に十一人、十一の特別区長選には三十一人が立候補した。二十市議選もあり、定数計四八五に対し、五百九十五人が立候補。二十区議選には定数計七八五に対し、千七十八人が立候補した。 (松村裕子、山田祐一郎)

 多摩地域では、四年前には実施された国立市長選が、現職の死去で前倒しされたため、統一選から外れた。

 市長選のうち、三鷹、清瀬は保守が分裂。三鷹は現職と前副市長の一騎打ちで、清瀬は現職と自民推薦の新人、共産などが推薦する新人による三つどもえになった。

 東村山、東大和、稲城は、いずれも自民、公明推薦の現職に、共産などが推薦する新人が挑んでいる。

 区長選のうち、北区長選は五選を目指す現職と新人二人の戦い。江東と大田は、四選を目指す現職と新人二人による選挙戦。豊島は六期目を目指す現職と新人三人が立候補を届け出た。

 八期務めた現職が引退を表明した中央は、新人五人が争う構図。江戸川は新人三人による争いとなった。世田谷は、三期目を目指す現職に元区議長が挑むほか、文京、墨田、渋谷、板橋も現職と新人の一騎打ちとなった。

 十六日には、大島町長選、檜原村長選のほか、瑞穂、大島町議選、檜原、神津島、御蔵島、小笠原村議選が告示される。

 いずれも二十一日に投票が行われ、区部の一部を除いて即日開票される。

◆三鷹市長選 5選狙う現職VS前副市長

 三鷹市長選は、五選を目指す現職の清原慶子さん(67)と、前副市長の新人河村孝さん(65)の一騎打ち。それぞれJR三鷹駅南口周辺で、最大の争点となっている市役所本庁舎などの建て替えを中心に訴えた。

 清原さんは、過去の地震災害を踏まえ「災害時の市民生活を支える拠点の市役所(の耐震化)が不安なままではいけない。市が責任を持って建て替えるべきだ」と主張。費用について「豪華なものを市民は求めていない。百五十億から二百億円というのは目安にすぎない」と抑制を目指す考えを示した。

 河村さんは「市民の貴重な税金二百億円をかけて市役所を建て替える計画を止めなければいけない。年に一、二回しか行かない市役所をこれ以上大きなものにしてどうするのか」と批判。「政策の優先順位が間違っている。市役所にお金をかけるなら、停滞している駅前再開発を加速させるべきだ」と訴えた。

 四年前の前回市長選では、清原さんから後継指名され、出馬表明した河村さんが告示日直前に急病に倒れ、清原さんが代わりに立ち、四選を果たした。今回はその二人が対決する異例の展開となった。 (花井勝規)

◆清瀬市長選 保守分裂、野党三つどもえ

 清瀬市長選は、三選を目指す現職渋谷金太郎さん(67)、新人で共産、自由、社民推薦の陶芸家池田いづみさん(71)、同じく新人で自民推薦の元市副議長中村清治さん(69)が出馬。渋谷さんと中村さんの保守分裂の戦いに、野党結集を目指す池田さんが加わった三つどもえになった。

 渋谷さんは、結核患者のため尽力したフランス人神父ゆかりの病院前で「尊い歴史を忘れず、結核と戦ったまちとして世界文化遺産を目指す」と声を上げた。前回までと違い自民の推薦はなくなったが、「現場が主役の考え方は変わらない」と強調した。

 池田さんは都営住宅に近い公園で「渋谷市政で市民参画が形骸化した。このまちが好きだから黙っていてはいけない」と出馬の理由を語った。市民活動に長年携わった経験から「市民参加の市政運営を目指す。生活者の目線で税金の使い方を見直したい」と訴えた。

 中村さんは事務所前で「市長の立場を忘れた行動が数多く出てきた。我慢できない。今の市政を変えないと」と、支えてきた渋谷さんと決別した理由を説明。自民の地元衆院議員の応援も受け「清瀬の産業は農業。特産化を目指す」と力を込めた。 (松村裕子)

◆稲城市長選 3選目指す現職、若手新人と対決

 稲城市長選には、共産、自由推薦の新人早川寛さん(39)と、三選を目指す自民、公明推薦の現職高橋勝浩さん(56)が立候補した。

 早川さんは京王線若葉台駅前で第一声。「大規模開発に税金を投入し、本当に必要な人に税金を使わない冷たい政治を変えよう」と訴えた。待機児童ゼロや国民健康保険料の減額などに取り組む考えを示した。

 高橋さんはJR稲城長沼駅前で「地元の防災力を強化し、安心安全なまちをつくりたい」と主張。国連が提唱する持続可能な開発目標(SDGs)の普及やシビックプライド(市民の誇り)醸成を強調した。 (竹谷直子)

◆東村山市長選 4選目指す現職、新人との争いに

 東村山市長選は、新人で共産推薦の元都議小松恭子さん(78)と四選を目指す自民、公明推薦の現職渡部尚(たかし)さん(57)の戦いとなった。

 小松さんは西武線久米川駅前で第一声。市議二十二年、都議八年の政治経験をアピールし、「市民に寄り添い、福祉と暮らしを第一にした温かい市政をつくろう」と呼び掛けた。

 渡部さんも同駅前で出陣式に臨んだ。市内の駅周辺整備や新たな子育て支援策実施などの公約を挙げ「少子高齢社会の中で、持続可能なまちをつくる」と力を込めた。 (服部展和)

◆東大和市長選 3選出馬現職に新人が挑む展開

 東大和市長選は自民、公明推薦で三選を目指す現職の尾崎保夫さん(69)に、共産、自由推薦で新人の柳下進さん(69)が挑んだ。

 尾崎さんは「弱い立場の人への配慮を政策の中に入れてきた」と強調。待機児童対策など少子高齢化施策を挙げ「日本一、子育てしやすく、シニアが活躍する街の実現を市民と一緒に進める」と訴えた。

 柳下さんは、市のコミュニティーバスのルートなどについて「市民が変えてほしいと声を上げたが市に通らない」と主張。「今は市民の望む方向で税金が使われていない。一緒に市政を変えよう」と呼び掛けた。 (萩原誠)

 

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