十六日に告示された伊豆大島の大島町長選は、再選を目指す現職と、二期ぶりの返り咲きを狙う元職が一騎打ちの戦いを繰り広げている。二人の横顔と町政への思いを紹介する。(届け出順)
◆町政見つめ直して再挑戦
川島理史(かわしま・まさふみ)さん(66) 無元<1>
都内の大学を卒業後、島に戻り、学習塾を経営。福祉ボランティアのサークルをつくり、施設の訪問やイベントの手伝いに駆け回った。四十二歳から町議を四期十六年務めると、八年前に「住民に開かれた町政」を掲げて町長選に出馬し、初当選した。
任期中の一三年、土砂流災害での対応の遅れが批判も浴び、四年前の町長選で落選。町民の立場に戻り、町政を見つめ直した。
「責任には真正面から向き合う。逃げるつもりはない」と決意は固い。「経験を生かし、若い世代に町政をいい形で引き継ぐことが使命」と話す。
◆「明治維新」に理想を重ねる
三辻利弘(みつじ・としひろ)さん(63) 無現<1>=自公
町職員として三十七年、町長として一期四年。「愛するふるさとのために」という信念を持ち、全力で取り組んできた。
前回の町長選は、一三年の土砂流災害を町職員として目の当たりにし「島をよみがえらせたい」と出馬を決意。防災対策や復興は「一定の成果が残せた」と振り返る。さらなる島の発展に向けて「観光や産業振興がキーワードになる」と力を込める。
読書が趣味で、司馬遼太郎作品のファン。志高く、新たな時代に突き進んでいく明治維新の雰囲気が好きで「自分もそうでありたい」と理想を重ねる。
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