保守分裂と三つどもえの選挙で注目を集めた清瀬市長選は、現職の渋谷金太郎さん(67)が、いずれも新人で共産、自由、社民推薦の陶芸家池田いづみさん(71)と、自民推薦の元市副議長中村清治さん(69)の二人を破り、三選を果たした。
渋谷さんは事務所で支援者らを前に、「政策の違いはあっても調和していくことが大事。政治は複雑との思いはあるが、選挙を振り返らず、市民の幸せにつなげたい」と分裂選挙後の市政運営へ抱負を語った。
渋谷さんを巡っては、市公用車の私的利用が問題視され、市議会で与党の自民会派からも追及を受けた。渋谷さんも自民党員だが、党清瀬総支部は「市長としてふさわしくない」などとして、支部長の中村さんに推薦を出した。
中村さんから「党組織を挙げて」の選挙戦を挑まれた渋谷さんは「有権者から二期八年の審判を受けたい」として、従来より控えめな選挙運動に徹した。現職の知名度や人脈を生かし、分厚い保守票の流出を最小限に食い止めた。
保守の分裂に勝機を見いだした池田さんは、幅広い野党勢力の結集を目指したが、期待した支援は広がらなかった。
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