渋谷区長選は、公明の推薦を受けた現職長谷部健さん(47)が、共産、自由推薦の新人を退け、再選を果たした。午後十時半前、事務所で支援者らに「地域のコミュニティーをさらに強くする。新しいチャレンジもどんどんしていきたい」と晴れやかな表情で語った。
長谷部さんは前回、前区長から後継指名を受けて無所属で出馬し、無党派層を取り込んで政党系候補らとの激戦を制した。就任当初は議会との関係に苦労したが、後に公明、自民も協力的に。今回、自民には独自候補擁立の動きもあったが、結果的に長谷部さんの実績を認めた。
区議時代に提案した全国初の同性パートナーシップ条例をはじめ、多様性を受け入れるまちづくりは全国から注目を集める。妊娠中から十八歳になるまで一貫した子育て支援システム「ネウボラ」創設など、暮らしの施策にも力を入れた。
区内企業などと昨年立ち上げた一般社団法人「渋谷未来デザイン」では、民間資本を活用した魅力ある地域づくりプロジェクトを進める。「今は良くてもいずれ区の税収は減る。民間の力は必要」と先を見据える。「変わらず謙虚に、先頭に立って汗をかきたい」
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