紙面から

五輪男子サッカー「メダルを家族に」 3児の父、遠藤がけん引

練習で突進する遠藤。下は興梠=ブラジル・アラカジュで(共同)

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 リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子は開会式に先立ち、4日(日本時間5日)にナイジェリアと初戦を戦う。主将を務めるJ1浦和のMF遠藤航(23)は3児のパパだ。チームをけん引しながら、家族のためにもメダル獲得を狙っている。 (上條憲也)

 5月18日、遠藤家に次男が誕生した。長男・理玖(りく)くん(3つ)、長女・妃愛乃(ひなの)ちゃん(1つ)の弟の名は理将くん。「りお」と読む。「この子には『オリンピックがリオであったからだよ』と言えるでしょ」と笑う。19歳で結婚し、家では良きパパ。五輪で家を長く留守にする分、「メダルを持って帰ってきたい」。

 遠藤がサッカーを始めたのは小学1年。サッカー経験のある父親と公園などで練習しながら、解説本を渡された。1対1の駆け引きや戦術が書いてあり、頭にたたき込んだという。「当時のサッカークラブは大人と試合をする日もあって、それが楽しかった。レベルの高い相手を求めるようになった」

 横浜市立南戸塚中時代は、J1横浜のジュニアユースに落ちたこともあり、中学の部活動で鍛錬した。「自分たちで準備しないと試合ができなかったり、練習メニューを先生に聞いてぼくがコントロールした時もあった。そういう経験が良かったと思う」。学級委員に立候補したりと、心身ともにたくましさを身に付けていった。

 ワールドカップ(W杯)を目指すフル代表にも昨年から選ばれるようになり、主将の長谷部(フランクフルト)の存在感や周囲への気遣いぶりに感心した。一方で、自身がチームの中心となってきたこれまでの世代別代表では、世界大会を逃す悔しさを味わっている。自身初の世界大会となるリオ五輪。「チームの特長は一体感。ここに選ばれなかった選手たちの思いも背負って戦いたい」

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