紙面から

感動、東京へ リオ熱戦に幕 メダル最多41個

21日、引き継がれた五輪旗を持つ東京都の小池百合子知事。中央はIOCのバッハ会長、左はリオデジャネイロ市のバエス市長=リオデジャネイロで(代表撮影)

写真

 【リオデジャネイロ=本社五輪取材団】第三十一回夏季オリンピック・リオデジャネイロ大会は二十一日(日本時間二十二日午前)、リオデジャネイロ市のマラカナン競技場で閉会式があり、十七日間にわたる熱戦が幕を閉じた。次回二〇二〇年大会は五十六年ぶりに東京で開催。式典で五輪旗が東京都の小池百合子知事に手渡された。リオの感動は四年後に、日本にバトンタッチされる。

 南米大陸初の開催となった今大会には、史上最大の二百五カ国・地域から一万一千人超の選手が出場。ブラジル国内の経済危機やロシアのドーピング隠蔽(いんぺい)問題で混乱が心配されたが、テロなどの大きな事件は起きず、無事に閉幕を迎えた。

 日本は国外開催で史上二番目となる三百三十八選手を派遣した。金メダル数で三大会ぶりに二桁となる十二個を獲得。前回ロンドン五輪から五個増えた。銀も八個、銅も二十一個を得て、メダル総数は史上最多の四十一個となった。

 金メダルは女子の個人種目で五輪史上初の四連覇を達成した58キロ級の伊調馨(かおり)(ALSOK)らレスリング女子が四個を量産。前回ゼロの柔道男子も二個を獲得し、「お家芸」の復活をアピールした。

 体操は男子個人総合で二連覇を達成した内村航平(コナミスポーツ)を中心に、三大会ぶりに団体総合で優勝。競泳でも萩野公介(東洋大)が男子400メートル個人メドレーで、金藤(かねとう)理絵(Jaked)が女子200メートル平泳ぎで頂点に立った。バドミントンで女子ダブルスの高橋礼華(あやか)、松友美佐紀組(日本ユニシス)が日本初の金をもたらした。

 日本選手団は開会式に続き、陸上男子十種競技の右代(うしろ)啓祐(スズキ浜松AC)が旗手を務めた。雨が降る中、レスリングや陸上などの選手たちはブラジルらしい陽気な音楽に迎えられ、競技場を行進した。

 国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長は「素晴らしい五輪だった。素晴らしい都市だ」と大会を評価。閉会を宣言し、聖火が消された。

◆五輪旗 小池知事に

 閉会式で、リオから東京へ五輪旗を引き渡すセレモニーがあり、リオのバエス市長、国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長から五輪旗を受け取った小池百合子都知事が、左右に力いっぱい振って、歓声を浴びた。

 鶴の柄の入った白色の着物姿で、ステージに登場した小池知事。旗の受け取り後、君が代が流れると、引き締まった表情で胸に手を当てた。

 前日の記者会見で、旗の引き継ぎについては「フラッグがあまり重くないことを願っている。筋トレはやってきたが」とジョークを交えつつ、「リオ大会の成功と興奮を東京に持ち帰りたい」と意気込みを語っていた。 (リオデジャネイロ・福田真悟)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。