紙面から

サッカー男子は黒星発進 序盤からミス続出、ほろ苦5失点

日本−ナイジェリア 前半、ナイジェリアに勝ち越しゴールを許すGK櫛引(左)=マナウスで(佐藤哲紀撮影)

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 【リオデジャネイロ=本社五輪取材団】男子の1次リーグが始まり、B組の日本はナイジェリアに4−5で敗れ、勝ち点0で同組最下位となった。守備が崩れて大量失点。後半に浅野(アーセナル)らのゴールで追い上げたが、届かなかった。同組のスウェーデンとコロンビアは2−2で引き分けた。日本は7日(日本時間8日)の第2戦でコロンビアに負けると1次リーグ敗退が決まる。

 A組は開催国ブラジルが南アフリカと0−0で引き分け、イラクとデンマークも0−0だった。C組は韓国がフィジーに8−0で大勝し、前回金メダルのメキシコがドイツと2−2のドロー。D組はポルトガルがアルゼンチンを2−0で破り、ホンジュラスはアルジェリアに3−2で競り勝った。1次リーグは16チームが4組に分かれて行い、各組上位2チームが準々決勝に進む。

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 守備を強化してきた日本らしくないプレーが相次いだ。手倉森監督が「メダルを取れるか、取れないかを占う重要な一戦。すべてを出し切る」と意気込んでいた初戦で5失点。決勝トーナメント進出への道が一気に険しくなった。

 「与えた失点が多すぎた」と指揮官は悔やむ。軽率なクリアミスが2度もあっては、勝つのは難しい。1−1の前半10分。相手クロスを室屋が目測を誤って、ボールが頭を越えた。背後で待ち構えていたエテボに拾われ、左足で決められた。すぐさま同点に追い付いたが、前半42分には植田のクリアが相手に渡り、痛恨の3失点目を喫した。

 一方、ナイジェリアは米国合宿からブラジル入りが遅れ、試合開始の約6時間半前に到着する異例の状態で臨んだ。体調が心配されていたが、のびのびとプレーしていた。

 日本は所属クラブで主軸を担う選手は少なく、身体能力の高いアフリカの強豪に“横綱相撲”ができる地力はない。堅い守備で耐えながら、少ない好機を狙う戦法を掲げてきた。しかし、大舞台の重圧に屈したか。主将の遠藤は「我慢して戦おうというプランが、立ち上がりの失点で難しくなった」とうなだれた。

 日本が過去、決勝トーナメントに進出した五輪4大会で初戦で星を落としたことはない。手倉森監督が「日本サッカーの歴史を変える」と決意を口にして臨んだ本番。1968年メキシコ五輪の銅メダル以来となる表彰台を目指す日本にとって、痛い黒星スタートとなった。 (マナウス・高橋隆太郎)

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