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リオ沸騰 平和の祭典 南米初の五輪開幕

リオ五輪の開会式で入場行進する福原愛(中)ら日本選手団=5日、リオデジャネイロで(隈崎稔樹撮影)

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 【リオデジャネイロ=本社五輪取材団】南米初開催となるリオデジャネイロ五輪の開会式が五日夜(日本時間六日朝)、リオデジャネイロ市中心部のマラカナン競技場であり、四年に一度のスポーツの祭典が十七日間の日程で開幕した。七十一年前に広島に原爆が投下された午前八時十五分(日本時間)の時間帯に、日系移民を題材にした演出もあった。

 史上最多の二百五カ国・地域が参加し、一万一千人超の選手が二十八競技三百六種目で熱戦を繰り広げる。ブラジル国内の政治的混乱や、ドーピング隠蔽(いんぺい)問題で五輪から締め出されたロシア選手によるスポーツ仲裁裁判所(CAS)への提訴が相次ぐ中で迎える異例の開幕となった。

 入場行進は五輪発祥のギリシャ選手団を先頭に始まり、日本選手団は赤い上着と白いズボン姿で百四番目に登場。旗手を務める陸上男子十種競技の右代(うしろ)啓祐(30)が時折、右手を振りながら、笑顔を見せた。後続の選手たちは、日の丸とブラジル国旗を振りながら歩いた。シリア内戦などで難民問題が深刻化する中、初めて編成された難民五輪選手団も堂々と行進した。

 開会式は、リオデジャネイロのスラム街を描いた映画「シティ・オブ・ゴッド」で知られるフェルナンド・メイレレス監督が演出。日の丸が入った衣装のダンサーたちが、日本からの移民の苦難などを踊りで表現した。

 弾劾手続きで停職中のルセフ大統領は欠席し、テメル大統領代行(副大統領)が開会を宣言。聖火の最終ランナーは、アテネ五輪の男子マラソン銅メダリストのバンデルレイ・デリマさんが務めた。聖火台に火がともされると、スタンドから歓声が上がった。

 日本は国外開催で史上二番目の三百三十八選手を派遣。前回ロンドン大会の倍となる十四個の金メダル獲得を目指す。柔道やレスリング、水泳などでのメダルが期待されている。

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