紙面から

夢舞台 一緒にトライ 横浜で小中過ごした幼なじみ

写真
写真

 幼なじみの二人が夢舞台に立った。リオデジャネイロ五輪からの新競技、七人制ラグビー。日本女子は六日のカナダ戦で初戦を迎えた。山口真理恵選手(26)=ラガール7、写真(右)=と鈴木彩香選手(26)=アルカス熊谷、同(左)、いずれも共同=は横浜市立汐入小、寛政中(いずれも鶴見区)の同級生だ。固い絆で結ばれた二人がリオを走った。

 鈴木選手はことし五月に右太ももの肉離れで代表メンバーから外れた。最後の合宿でアピールし、五輪代表に滑り込んだ。その時、誰よりも喜んだのが山口選手だった。「信じていた。彩香と一緒にリオへ行ける」

 隣にいるのが当たり前だった。小学校は一学年一クラスしかなく、中学では二人で相談して陸上部に入部した。山口選手が「目を見れば考えていることが分かる」と話せば、鈴木選手は「真理恵がいるから頑張れる。親友というより戦友に近い」と笑う。

 小学二年のときの五十メートル走が転機となった。学年で山口選手が一位、鈴木選手は二位だった。当時既に、腰に着けたタグ(ビニール製のリボン)を取り合うタグラグビーを習っていた鈴木選手は「私より速い人がいるなんて…。真理恵もやろうよ」と山口選手を誘った。

 高校から違う道を歩んだが、絆は変わらない。時に競い合い、時に励まし合ってきた。五輪の舞台でも当たり前のように隣に友がいる。桜のユニホームを身にまとって。 (リオデジャネイロ、森合正範)

※ご利用のブラウザのバージョンが古い場合、ページ等が正常に表示されない場合がございます。