紙面から

男子サッカー 日本、1次リーグ突破に望み コロンビアと2−2

コロンビアと引き分けた日本イレブン=マナウスで(共同)

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 男子の1次リーグ第2戦が行われ、B組の日本はコロンビアと2−2で引き分けて1分け1敗の勝ち点1で突破へ望みをつないだ。ナイジェリアはスウェーデンを1−0で下して2連勝の勝ち点6とし、同組1位での準々決勝進出を決めた。

 第3戦は10日(日本時間11日)に行われ、日本はスウェーデンに勝つか引き分ければ、もう1カードの結果次第で2位通過の可能性がある。

 D組はポルトガルが勝ち点6に伸ばし、8強入りを確定させた。A組はデンマークが勝ち点4で首位に立ち、ブラジルは2戦連続で無得点の引き分けに終わり同2。C組は韓国とメキシコが同4で並んだ。 (共同)

 日本の敗退危機を救ったのは背番号10の中島だった。1−2の後半29分、遠めから思い切りよく狙ったシュートはGKの頭上を越し、クロスバーに当たってネットに吸い込まれた。

 ナイジェリアとの初戦は先発して不発に終わったが「逃げないで勝負していきたい」と持ち前の負けん気は失っていなかった。

 自らのゴールで第3戦に望みをつなぎ「精いっぱいやるだけ。あとは楽しみたい」と表情を少しだけ緩めた。(共同)

◆勝ちに行く采配を

 2試合で6得点は、フィジーを相手に大量得点しているC組の韓国(11点)とメキシコ(7点)に次ぐもの。今大会の日本の攻撃の強さをよく表している。だが同時に、7失点はフィジー(13失点)に次ぐ多さ。初戦のナイジェリア戦と比較すると攻守両面で「同じチームか」と思えるほど良くなったが、「相手より先に失点する」という重大な欠陥は同じだった。

 「勝ちたかったが、内容には満足」と手倉森監督。「2失点はアンラッキーな面もあった」とも語った。

 2点のビハインドを追いついて勝ち点1を得たのは高く評価したい。しかし、勝つべき試合を引き分けたのは、手倉森監督の消極的な采配が原因だった。チャンスができている中で選手を代えるのは一面でリスクがあるが、手をこまねいているうちに相手はワンチャンスを生かして先制、オウンゴールで追加点を奪った。初戦の浅野投入と同じように、南野や大島の投入で勝負に出るのが遅すぎた。

 「最終戦(対スウェーデン)では、もっと強さを発揮できるはず」。手倉森監督はポジティブな姿勢を強調したが、選手たちの奮闘を勝ち点3に結び付けるには、「待って変化に対応する」のではなく、積極果敢に「勝利を取りに行く」采配が必要だ。 (マナウス・大住良之=サッカージャーナリスト)

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