攻めの萩野、伸びず　競泳２００自７位「体ついてこなかった」

　男子２００メートル自由形決勝で萩野公介（東洋大）は１分４５秒９０の７位に終わり、４００メートル個人メドレーの金メダルに続く２個目のメダル獲得はならなかった。男子１００メートル背泳ぎ決勝で前回ロンドン五輪銅メダルの入江陵介（イトマン東進）は５３秒４２の７位だった。

　男子２００メートルバタフライ準決勝の瀬戸大也（ＪＳＳ毛呂山）は１分５５秒２８の全体５位、坂井聖人（早大）は１分５５秒３２の６位で決勝に進んだ。

　女子２００メートル個人メドレー準決勝の寺村美穂（セントラルスポーツ）は２分１１秒０３の９位、愛知・豊川高１年の１５歳、今井月は２分１２秒５３の１５位で敗退した。同２００メートル自由形の五十嵐千尋（日体大）は１７位、池江璃花子（ルネサンス亀戸）は２１位で予選落ちした。　（共同）

　前半で離されすぎた。男子２００メートル自由形決勝の萩野は「先頭集団について行き、最後の５０メートルで差し切る」という作戦通り、ラスト５０メートルでスピードを上げた。残った力を振り絞ったが、結果は７位。この種目、日本勢初のメダルには届かなかった。

　「指示通りにいったつもりだったけど、（体が）ついてこなかった。前半スピードがなくてダメだった」

　６日の４００メートル個人メドレーで、狙い通りに金メダルを獲得した。日本競泳陣の大黒柱に平井伯昌コーチが期待したのはチームのエンジン役。これまでは五輪２大会連続２冠の北島康介さんが会心のレースで勢いを呼び込んできたように、萩野にも最初の４００メートル個人メドレーでの躍動が求められていた。

　自分のためにはもちろん、チームのためにも負けられない勝負を制し、大きな荷物をおろすことができた。そんな解放感が追い風を起こす。７日の予選後、萩野は「この２００メートル自由形が五輪で一番面白いレースになると思う。予選からみんな鼻息が荒くて、みんな俺が俺がと主張している」と心を躍らせていた。

　最も得意とする個人メドレーが必勝を求められる「守り」なら、自由形はメダルに挑戦する「攻め」の種目だ。すでに金メダルを手にした萩野にとって、これ以上ない一発勝負を楽しめるはずだったが、周りの主張が強かった。

　「自分の実力を出し切るだけだったが、他の選手はできて、僕はできなかった。悔しいけど、気持ちを切り替えていきたい」。残るは８００メートルリレーと２００メートル個人メドレー。複数メダルは次に持ち越しとなった。

　　（高橋隆太郎）