紙面から

競泳・今井と池江、励まし合って初舞台

女子200メートル個人メドレー準決勝で敗退し、引き揚げる今井月=リオデジャネイロで(今泉慶太撮影)

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 男子400メートル個人メドレーで金メダルを獲得した萩野公介(東洋大)は200メートル自由形決勝で1分45秒90の7位にとどまった。同100メートル背泳ぎ決勝の入江陵介(イトマン東進)は53秒42の7位で、3位だった前回ロンドン大会に続くメダル獲得はならなかった。

 男子200メートルバタフライ準決勝の瀬戸大也(JSS毛呂山)は1分55秒28の全体5位、坂井聖人(早大)は1分55秒32の6位で決勝へ進んだ。

 女子200メートル個人メドレー準決勝の寺村美穂(セントラルスポーツ)は9位、15歳の今井月(愛知・豊川高)は15位で敗退した。同200メートル自由形の五十嵐千尋(日体大)は17位、池江璃花子(ルネサンス亀戸)は21位で予選落ちした。

 ロシアの国家主導のドーピング問題で、直前になって出場を認められた同国のユリア・エフィモワが女子100メートル平泳ぎで銀メダルを手にした。 (共同)

 旋風を巻き起こす競泳の10代女子。今井は200メートル個人メドレーに臨む8日の朝、今大会三つ目の種目の200メートル自由形に出場する池江と「頑張ろうね」と励まし合った。今でこそ大親友の2人だが、小学6年での第一印象は最悪だった。

 全国の有望株を集めた合宿での研修会。岐阜弁でおしゃべりする今井に、東京生まれの池江は「言葉がきつかったので、この子と仲良くなるのはちょっと無理だな」と腰が引けた。その今井と中学2年の合宿で同部屋に。「実際にいてみたら楽しくて」。2年来の誤解を解いた2人は、一緒に朝寝坊して怒られるほど結束を固める。

 おしゃれ大好き。しかしセンスが全く合わない。新調したお気に入りの靴を見せた今井に、池江は「全然かわいくない」とばっさり。だが今井は「何でも言い合えるというか」と笑う。合わないから、合う。違うから、楽しい。

 そんな少女2人も立派な勝負師。昨夏の世界選手権代表に池江は入り、落選した今井は号泣した。「参加する合宿も、着ているジャージーも違う。つらかった」。親友だからこそ、うらやましかった。

 今井のリオ五輪への強い思いが、本命の平泳ぎに加え200メートル個人メドレーへの挑戦へとかじを切らせた。そして、選考会の日本選手権で世界選手権銀メダルの渡部香生子(JSS立石)を破って代表入り。既に五輪切符を手にしていた池江は、今井に飛び付き「今年は一緒に行けるね」と大泣きした。

 そろって立つことができた最高の舞台。池江は7種目にエントリーし、フル回転中。準決勝で敗退した今井は「きつい練習もやってきて、調子も良かったから悔しい。必ず4年後は成長して活躍したい」と涙を浮かべて誓った。東京五輪が開催される2020年、2人は20歳になる。 (高橋隆太郎)

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