紙面から

卓球・水谷、初の4強 強気戻った本来の攻め

男子シングルス準々決勝ポルトガル選手を破り、雄たけびを上げる水谷隼=内山田正夫撮影

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 シングルス準々決勝が行われ、女子で4大会連続出場の福原愛(ANA)が2012年ロンドン五輪銅メダリストで第2シードのフェン・ティアンウェイ(シンガポール)を4−0で破り、初の4強入りを果たした。

 男子で3大会連続出場の第4シード、水谷隼(ビーコン・ラボ)がフレイタス(ポルトガル)を4−2で下し、全種目を通じて日本男子初の準決勝進出。丹羽孝希(明大)はロンドン五輪王者の張継科(中国)に1−4で逆転負けした。

 福原は10日(日本時間同日夜)の準決勝で2連覇を狙う李暁霞(中国)と対戦する。水谷は11日の準決勝で昨年の世界選手権王者で第1シードの馬龍(中国)と顔を合わせる。 (共同)

 相手選手のレシーブが大きく外れると、水谷は両拳を突き上げて絶叫した。卓球の日本男子で史上初の準決勝進出。メダル獲得へあと1勝となった。「毎日苦しい試合ばかりだけど、きょうは緊張しないでプレーができた」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 3大会連続の五輪とはいえ、4年に1度の大舞台。ここまでの2試合は慎重になり、弱気なプレーが目立ったが、この日は違った。相手は過去6戦全勝のポルトガル選手。先手を取り、わざと相手に打たせて、そこを狙った。序盤から強気な姿勢で攻め抜き、本来の姿が戻ってきた。

 ミスが多かった第2ゲームを取られた後、ラケットをポンと放り投げた。これまでならずるずると負けに向かうパターン。そんなとき、観客席に陣取る日本の応援団を見上げた。「みんながついている。大丈夫だ」と自らに言い聞かせ、気持ちを落ち着かせた。

 11日の準決勝は世界ランキング1位の馬龍と対戦する。「今の世界チャンピオンだし、自分が倒したい相手。負けても次勝てばいい。2回チャンスがある。やれるでしょう」。2試合のうち一つ勝てばいい。気負わず平常心で、メダル獲得へ挑む。 (森合正範)

◆丹羽、中国の壁崩せず

 丹羽は準々決勝で世界ランキング4位の張継科に1−4で敗れた。「ベスト8に入ったのはうれしいが、中国選手に勝たないとメダルはとれない。いまの実力では難しい」と唇をかんだ。

 出足は好調だった。レシーブがさえ、第1ゲームを先取した。すると張はサーブに変化をかけてきた。「それに対応できなかった。相手は気合が入ったプレーをしていて強かった」と脱帽した。

 団体戦に向け「ダブルスがあるのでしっかり練習したい」と気持ちを切り替えた。 (森合正範)

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