紙面から

体操日本女子が笑顔の4位 10代3人組、東京へ財産

女子団体総合で4位となり笑顔で記念撮影する(左から)宮川紗江、内山由綺、寺本明日香、杉原愛子、村上茉愛=隈崎稔樹撮影

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 女子団体総合決勝が行われ、日本は合計174・371点の4位で前々回北京五輪の5位を上回り、1968年メキシコ五輪以来48年ぶりの好成績となった。世界選手権個人総合3連覇中のバイルスを擁した米国が184・897点で圧勝し、2大会連続3度目の金メダル。176・688点のロシアが2大会連続の2位で、176・003点の中国が3位。

 予選7位の日本は最初の床運動で宮川紗江(セインツク)にラインオーバーがあって出遅れたが、跳馬で宮川が15・066点、段違い平行棒で内山由綺(スマイルク)が15・000点を出すなど3種目目を終えて3位。最終種目の平均台は大きなミスなくまとめたが、跳馬で高得点をそろえたロシアに逆転された。 (共同)

 夢のような時間が終わるのは名残惜しいが、先に新たな希望も見える。日本女子代表5人のうち、10代の3人はこの日がリオで最後の出場。東京五輪に向けて日本女子の可能性をアピールする演技を重ね、チームをメダル争いに押し上げた。

 16歳の宮川は「予選が終わった時は何も考えられなかった。今日を精いっぱいやろうと切り替えた」。昨年の世界選手権(グラスゴー=英国)で床運動種目別4位となりながら、今回の予選はミス続きで決勝進出を逃し、激しくおえつを漏らした。この日も床運動の演技をまとめきれなかったものの、続く跳馬は高難度技「チュソビチナ」の着地を止めて15・066点をマークした。

 段違い平行棒では、この日唯一の出番となった18歳の内山が15・000点。チームで飛び抜けて大きい160センチの体をしなやかに使い、E難度の移動技「コモワ」などを入れた演技を通しきった。16歳の杉原愛子(朝日生命)も3種目で貢献した。

 20歳の主将、寺本明日香(レジックスポーツ)を先頭に若さでぶつかった決勝は1学年下の村上茉愛(日体大)を含め、全ての演技で大過失なし。3種目を終えて3位と表示されたスクリーンを驚いた表情で眺め、メダルの可能性を感じながら最後の平均台に臨んだ時間は、4年後への財産になった。

 優勝した米国は別格としても、床運動と跳馬のDスコア(演技価値点)の合計はそれぞれロシア、中国と互角かそれ以上。段違い平行棒と平均台の難度を上げれば表彰台は近づく。内山は「今回は通過点。同じ目標を見ている選手と東京まで高めあいたい」。南米からもう、助走を始めた。 (鈴木智行)

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